人との接触を避ける意味合いと、人件費削減の思惑が合致した結果、ここ数年で「無人店舗」が急激に増加した。
詳細な数字は把握されてはいないが、韓国ではすでに10万店舗を超える無人店舗が営業していると推測されている。
無人店舗は基本的に、客の良心を信じる性善説の上に成り立っているが、当然ながらすべての人が善人ということはなく、トラブルも相次いでる。
ソウルのとある無人コンビニでは、頻発する窃盗犯を捕まえようとリアルタイムで映像を監視し、店内マイクで呼びかけたが、すべて無視されたという事例まであるほどだ。
こうした無人店舗での窃盗があまりに多すぎるため、韓国警察庁は2021年3月から無人店舗での窃盗検挙数統計を別途集計するまでになった。集計の結果、3月~4月には492件だった検挙数は、同年11月~12月には828件にまで増加したことがわかった。
たった1年でほぼ2倍にまで検挙数が膨らんだのだ。当然、検挙にまでいたらない窃盗も多いため、実際の加害者はもっと多いだろう。
こうした状況に韓国内でも「最低賃金引き上げの結果がコスト削減のための無人店舗増加と犯罪率増加(笑)」「人件費を惜しんだ結果、しわ寄せは警察に」「もはや警察を従業員として使っているのとかわらない」など、痛烈な批判が多かった。
意見の中で最も多かったのが「警察の負担が多い」というもの。実際、被害が起きた後に対応するのは警察であり、その負担増は無視できない。
性善説に期待した無人店舗だが、そうした営業形態が可能になるためには、もう少し国民に余裕ができる必要があるのではないだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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