人生を賭けた韓国の受験戦争。その本番である大学統一試験「大学修学能力試験」、いわゆる“修能(スヌン)”が11月14日に迫っている。
【注目】授業を9カ月も拒否、休学して入隊…韓国の医大生に何が
しかし今回の修能は、これまでと大きく様相が変わってきそうだ。その大きな原因が、韓国政府による「医大定員増加政策」だ。
今年2月、韓国政府は医師不足解消に向け、大学医学部の入学定員(現在3058人)を2025学年度の入試から5年間にわたって毎年度2000人増やすことを発表した。OECD加盟国と比べて、韓国は医師の数が少ないためというのが主な理由である。
狭き門であった医学部への道が大きく開かれたことは、受験生たちにとって大きな変化であり、医学部志望者も増加する見込みだ。
一方で、こうした流れを認められない層もいる。
それが、これまでの厳しい受験戦争を勝ち抜いた現役医師や医学部生たちだ。なかには不満を示すために、休学届を提出したまま長期的に授業を拒否している学生もいる。
こうした流れは、修能試験が迫っている現在も継続中だ。全国医科大学教授協議会と全国医科大学教授非常対策委員会は、11月1日から4日まで全国の医大教授を対象に緊急アンケート行い、その結果を公開した。
アンケートの結果、回答者3496人中3365人(96.3%)が来年度の医学部募集人員を既存の定員である3058人に凍結、または減員すべきと回答した。
試験直前での調査発表は、受験生に悪影響を及ぼすだろう。
実際に韓国内でも「来年の新入生だけを教育すればいい。休学していた学生は退学させろ」「対話をするわけでも、代案を出すわけでもない。医者は神様か?」「振り回される受験生のことを考えろ」など、大きな批判が起っている。
無事に受験が終わっても、現役医大生と今年の受験生との間に大きな溝が生まれる可能性があるかもしれない。
■日本の病院に多くの「韓国人医師」が押し寄せるかも…彼らが海外進出を選択するワケ
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