けいれん性の咳発作を特徴とする急性気道感染症である「百日咳」で死亡する事例が、韓国で集計開始以降、初めて発生した。
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11月12日、韓国の疾病管理庁によると、百日咳で入院治療を受けていた生後2カ月未満の乳児が11月4日に症状が悪化して亡くなった。
この乳児は、百日咳の1回目の予防接種を受ける前に咳や痰の症状が現れたことで病院を訪れ、10月31日に百日咳と診断されていた。
韓国において百日咳の患者は乳児や小児、青少年を中心に継続的に発生しているものの、死亡者が出たのは2011年の百日咳死亡者数の集計開始以来、初めてであると疾病管理庁は説明した。
韓国では現在、百日咳の患者が急増している。2023年の患者数は292人だったが、今年に入り11月1週目までに3万人を超えた。
年齢別では、13~19歳が全体の45.7%(1万3866人)、7~12歳が42.0%(1万2725人)と、7~19歳の小児・青少年が全体の87.7%(2万6591人)を占めている。0~6歳の患者は全体の3.3%(1008人)に過ぎないが、8月以降増加しており、1歳未満の乳児患者も10月初めには週2~4人の報告だったのが、10月末には12人まで増加した。
百日咳が流行しているのは韓国だけではない。
イギリスでは今年9月までに百日咳患者が累計1万3952人に達し、11月初めまでに乳児10人が死亡。フランスでは今年、百日咳患者が13万人以上発生し、35人の死亡者のうち、小児が22人(1歳未満が20人)に上った。またアメリカでは今年に入り、前年同期比で4.6倍に増加した2万2273人の患者が発生している。
日本でも今年6月から百日咳患者が急増しており、国立感染症研究所によると、直近の数値で第42週(10月14~20日)に122人(前年30人)、第43週(10月21~27日)に147人(前年15人)、第44週(10月28日~11月3日)に120人(前年19人)と前年を大幅に上回っている。
疾病管理庁のチ・ヨンミ庁長は「韓国で初の百日咳による死亡者が発生したため、高リスク群は特に注意が必要だ」とし、「今後の冬季における呼吸器感染症の拡大に備えて、各家庭では日常生活での手洗いや咳エチケットの遵守、呼吸器症状がある場合のマスク着用などを通じて、百日咳を含む様々な呼吸器感染症を予防し、子供たちを安全に保護してほしい」と呼びかけた。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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