2025学年度の「大学修学能力試験」が本日(11月14日)午前8時40分から、韓国の85の試験地区にある1282の試験場で実施されている。
今年の大学修学能力試験、通称「修能(スヌン)」には、前年度より1万8082人多い52万2670人が出願した。
在学生は前年に比べて1万4131人増加し、全体の65.2%にあたる34万777人。また、高校卒業生は2042人増の16万1784人(31.0%)だ。検定試験などその他の受験者は1909人増加し、2万109人(3.8%)となった。
在学生数が卒業生数を大幅に上回ったため、卒業生が占める割合は前年度の31.7%から0.7%ポイント減少したが、卒業生の受験者数は2004年の18万4317人以来、21年ぶりに最多となった。
高校卒業生の受験者数が多い理由は、医学部の「定員増」が反映されてから今回が初めての「修能」だからだ。
医学部への挑戦を目指す“再受験生”や“複数回目の受験生”が増加したと分析されている。
韓国政府は今年2月、「医大定員増加政策」を打ち出した。大学医学部の入学定員(現在3058人)を2025学年度の入試から5年間にわたって毎年度2000人増やすというのが趣旨だ。経済協力開発機構(OECD)加盟国と比べて、韓国は医師の数が少ないためというのが主な理由だった。
ただ、その政策に対して韓国医師協会は猛反発している。
政策に強く反対して研修医が集団で辞表を提出し、大手病院の医学部教授らも研修医らの主張を支持するため辞表を提出するなど、韓国医療界で混乱が続いている。その結果、きちんと診療が受けられない人が増え、救急搬送されても手術が受けられずに患者が死亡した事例まで報じられている。
現役医学部生たちも立場は同じだ。2月の「医大定員増加政策」以降、休学届を提出したまま9カ月にわたって授業を拒否している。韓国教育部によると、名門・ソウル大学を除く8つの国立大学の医学部で、2024年の休学申請者4346人のうち4325人(93.1%)の休学処理が保留された状態だという。
授業を拒否し、その間に兵役の義務を果たそうという学生も多く、入隊を理由に休学をした医大生は、2021年116人、2022年138人、2023年162人と、過去3年間は100人台だったが、今年は1000人を超えた。
いずれにしても今回の「修能」で医学部を目指す人が少なくないため、上位層の競争が激化する可能性もあり、差別化を図るために難易度の高い問題が出題されるとの見方が出ている。
受験生たちには力を存分に発揮してほしいところだが、はたして。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■日本の病院に多くの「韓国人医師」が押し寄せるかも…彼らが海外進出を選択するワケ
前へ
次へ