猥褻な侮辱メッセージを送ったとしても、それが必ずしも性暴力犯罪に該当するわけではないとする韓国最高裁の判決が示された。
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チャットのやり取りの文脈などを考慮し、そのメッセージが性的欲望を満たす目的で送られたかどうかを判断すべきだという趣旨だ。
12月25日、法曹界によると、最高裁1部(ソ・ギョンファン大法官)は、性暴力処罰法上の通信媒体利用猥褻の容疑で起訴された女性A氏の事件を無罪の趣旨で差し戻した。
控訴審では、罰金500万ウォン(約54万円)と40時間の性暴力治療プログラムの履修、さらに3年間の児童・青少年・障害者関連機関への就業制限を命じていた。
A氏は2021年3月、オンラインゲーム中に相手の親を性的に侮辱するメッセージを送ったとして起訴された。A氏は被害者のゲームの腕前を批判して口論が発展すると、「お前の○○(親)に体型管理をさせろ」「お前の○○は汚いことばかりしているのか」など、屈辱的なメッセージを5回送ったとされる。
裁判の争点は、A氏が被害者とのチャットで性的欲望を誘発、または満足させる意図を持っていたかどうかに絞られた。通信媒体を利用した猥褻行為を処罰する性暴力処罰法第13条では、性的羞恥心や嫌悪感を引き起こす文書を相手に送った場合に適用される。
A氏側は、自分自身と被害者がいずれも女性である点を強調し、「性的欲望を目的としたものではないため、犯罪の構成要件を満たさない」と主張した。しかし、1審と2審では有罪と認定され、「メッセージ送信は怒りから来た行為の可能性があるが、歪んだ性的欲望と結びついていると見られる」とされた。
しかし最高裁は、A氏が被害者から攻撃的な発言を受けるたびにメッセージを一つずつ送信していた点に注目し、これらのメッセージが性的欲望から発せられたものと見るには無理があると判断した。
そして「怒りを表出することが主な目的だっただけなのに、これを有罪とした原審には法理を誤った違法がある」と指摘した。
報道を受けて、オンライン上では「なぜこのような問題が裁判で争われているのか」「Aさんが女性だったから。以上」「メッセージを受け取った側がどう感じるかで決まるのでは?」「そもそもなぜ侮辱メッセージを送ったのか」といった様々な反応が寄せられた。
この判決は、オンラインコミュニケーションが抱える複雑な問題を浮き彫りにしている。表現の自由と性暴力の境界をどのように引くべきか、引き続き議論が求められるだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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