65歳以上の人口割合が20%以上の「超高齢社会」に突入した韓国で、高齢者の貧困率が再び悪化していることがわかった。
2月3日、韓国の統計庁によると、2023年の均等化可処分所得基準で65歳以上の高齢層の相対的貧困率(高齢者貧困率)は38.2%となり、前年の38.1%から0.1ポイント増加した。
均等化可処分所得とは、世帯の収入を家族の人数で調整し、働いて得た収入に年金や福祉の支援、税金の影響を加味した「個人ごとに使えるお金」を示す指標だ。
65歳以上の高齢者人口のうち、38.2%が全体の中央値所得の半分以下の均等化所得しか得ていないことを意味する。
韓国における高齢者の貧困率は2017年に42.1%、2018年に42.0%、2019年に41.4%と40%台が続いていたが、2020年に39.1%となり、初めて30%台に低下した。そして2021年には37.6%まで低下したものの、2022年に38.1%、2023年に38.2%と再び上昇しており、2年連続で悪化する結果となっている。
特に性別で見ると、女性は43.2%に上り、男性(31.8%)より11.4ポイントも高かった。
韓国の高齢者貧困率は、全体の相対的貧困率(14.9%)や労働年齢人口(18~65歳)の相対的貧困率(9.8%)と比較しても、依然として著しく高い水準にある。
世界的に見ても貧困率の高さが目立つ。経済協力開発機構(OECD)によると、加盟国の2020年の高齢者貧困率は平均14.2%となっている。
そのなかで韓国は突出して高い40.4%を記録し、アメリカ(22.8%)や日本(20.2%)はもちろん、エストニア(34.6%)やラトビア(32.2%)よりも悪い数字だった。
韓国で高齢者の貧困率が高い理由は、後期高齢者世代が年金など老後への備えが十分でなかったためと考えられている。
実際に韓国保健社会研究院が発刊した『2023年貧困統計年報』によると、2021年基準で相対的貧困率は、76歳以上で51.5%に達した。66~75歳では30.5%だったことを踏まえると、年齢が高いほど貧困率が上昇する傾向にあることがわかる。
こうした状況について、韓国のオンライン上では「OECDと比較するのではなく、開発途上国と比較したほうがいい。韓国の貧困は少なくとも一世代が過ぎてから解消するはず」「高齢者には最低賃金の適用を廃止すべきだ。最低賃金のせいで高齢者の仕事が全滅した」「貧困層というには不動産所有者が多すぎないか」といった多様な意見が寄せられている。
近年、改善傾向が見られていた韓国高齢者の貧困率は、この水準で抑えられるのか、それとも再び40%台に逆戻りしてしまうのか。急速な高齢化が進んでいるだけに、早急かつ効果的な対策が求められている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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