韓国警察が、ディープフェイク技術を使用した性的映像の作成・流布に関与した963人を摘発し、そのうち214人を送検したことが明らかになった。
4月17日、大田(テジョン)警察庁は、性的なフェイク映像を制作し、チャットルームを開設・運営して共有していたとして、性保護法違反などの疑いで10代の運営者4人、製作者5人を検察に送致したと発表した。
また、彼らが運営するチャットルームへのリンクを掲載した10代の若者2人と、制作された映像を購入・投稿していた203人も、青少年性保護法違反の容疑で検察に送致された。
これらの加害者たちは2023年7月以降、メッセージアプリ「テレグラム」上で知人女性の情報を共有し、ディープフェイクによる性的な映像を制作・流布。芸能人や学校の同級生、知人などの顔写真をAIで合成・共有し、日常的に性的な嫌がらせを行っていた。
彼らは最大1万5752人が参加した資料共有チャットルームを運営し、ディープフェイク技術を用いた性搾取物を合計3万6086点共有していたという。
このチャットルームの参加者は、10代が145人、20代が57人、30代が9人、40代が3人で、10代・20代が全体の94.4%を占めていたとされている。
警察は被害者保護のため、仮名による事情聴取、デジタル性犯罪被害者支援センターとの連携、安全措置の案内、国選弁護人の手配などを実施。また、アップロードされていたデータはすべて削除し、当該チャットルームも閉鎖したと明らかにした。
今回の事件は、2023年8月から警察が全国的に展開してきた集中的な特別取り締まりの一環であり、大田警察庁が摘発した214人は、全国で摘発された963人のうち22.1%に当たる。
警察は、今年6月4日より施行される予定の性暴力処罰法の改正により、今後は成人被害者に対しても「おとり捜査」が可能になるとして、これを積極的に活用しながら捜査を進めていく方針だという。
警察関係者は「今後もディープフェイク性搾取物に関する情報収集やモニタリングを強化し、海外企業との協力も積極的に行いながら、摘発に全力を尽くす」とコメントした。
(記事提供=時事ジャーナル)
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