面識のない女子高生を刃物で刺して殺害した韓国の30代男性に無期懲役が言い渡された。
9月9日、韓国の法曹界によると、最高裁第3部(主審:ノ・ギョンピル大法官)が8月14日、殺人・殺人予備の容疑で起訴されたパク・デソンに無期懲役を言い渡した原審を確定した。
最高裁は「原審の判断に必要な審理をまっとうしないまま、論理と経験の法則に違反して自由心証主義の限界を逸脱したり、心神耗弱、殺人予備罪の成立に関する法理を誤解するなどして判決に影響を及ぼした誤りはない」と明らかにした。
パク・デソンは昨年9月26日午前0時44分頃、全羅南道順天市照礼洞(チョルラナムド・スンチョンシ・チョレドン)のある通りで、道を歩いていた10代の女子高生Aさんを約800メートル追いかけ、刃物で刺して殺害した容疑を受けている。
また犯行後、靴を履かず刃物を持ったまま女性主人が運営する居酒屋などを訪れ、て追加の殺人犯行を物色した容疑もある。パク・デソンは酒を注文したり、経営者を部屋に呼ぶなど2次犯行を試み、「人を殺すことができる」という言葉も口にしたと調査された。
同氏は逮捕前の被疑者審問(令状実質審査)のため裁判所に出廷した際、「焼酎を4本ほど飲んでおり、記憶がない」「証拠がすべて出ているので(容疑について)否定はしない」と述べている。
検察は一審・二審の過程でパク・デソンに法定最高刑である死刑を求刑したが、最高裁は無期懲役を宣告した。
二審裁判所は「全国民的な公憤を買い、被害者と遺族の惨憺たる苦痛について誰一人共感しない者はいない」とし、「最近、パク氏が裁判部に提出した反省文を契機に、一生をかけて被害者の冥福を祈り、懺悔・贖罪することを願う」と伝えた。
そして、検察の死刑求刑については「実定法上、死刑制度に関する議論があり、憲法裁判所が違憲可否を再び審理している。1997年以降で死刑が執行されたこともなく、実効性も高くないように見える」と説明した。
パク・デソンは無期懲役刑が過酷だとして不服を申し立てたが、大法院は原審判断に誤りがないと見て上告を棄却した。
同事件で命を落としたAさんは高校卒業認定試験に合格し、警察官になるために大学受験を準備していた。事件当時は、体が不自由な父親のために薬を買いに出かけていた。パク・デソンとAさんの間に面識はなかった。
(記事提供=時事ジャーナル)
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