「12・3非常戒厳」の後、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が発表した4日後の立場表明に、市民は当惑を超えて怒りを表明している。
戒厳令宣告は5分以上続いた一方、謝罪の談話はわずか2分余りで終わり、記者からの質疑応答も受け付けないなど、誠意に欠ける対応だったという理由からだ。
12月7日、ユン大統領は龍山(ヨンサン)の大統領室で国民に向けた談話を発表し、非常戒厳事態について「非常に申し訳なく思い、大いに驚かれた国民の皆様に心からお詫び申し上げる」と述べた。
ユン大統領は「今回の非常戒厳宣告は、国政の最終責任者としての切迫した思いから出たものであるが、その過程で国民に不安と不便を与えた」とし、「今回の戒厳宣告に関連して、法的および政治的責任を回避するつもりはない」と強調した。
12月3日23時の非常戒厳宣告から4日が過ぎ、ようやく出された大統領の立場表明は、この内容のみだった。ユン大統領は155分間続いた非常戒厳を2分3秒間の謝罪で締めくくった。
5分40秒を費やして非常戒厳を宣告したときと比べると、その半分にも満たない。
オンラインコミュニティなどでは、「クーデターはいたずらなのか」「謝罪一言で済ませるつもりか」「国がこの有様なのに1分程度の謝罪で済ませるのか」「YouTubeのショート動画用か」など、批判が相次いだ。
ユン大統領の談話の進行方法にも批判が集中した。
非常戒厳の宣告と解除を発表したときと同様、今回の談話も大統領室のブリーフィングルームを封鎖し、記者からの質疑応答を受け付けず、一方的な立場表明に留まったためだ。
会社員のキムさん(29)は「大統領は国民を代表する記者の質問を受け、疑問を解消すべきだったが、それを回避した」とし、「国民として知る権利を奪われたと感じる」と語った。
別の会社員であるチョンさん(54)は「国民の感情や考えをまったく考慮せず、自分のために無理やり謝罪した印象を受けた」とし、「国民の痛みなど意に介さない厚顔無恥だ」と怒りを露わにした。
市民団体も即座に批判の声を上げた。経済正義実践市民連合は声明を発表し、「今回の談話は国民の怒りと失望を鎮めるにはあまりにも不足しており、責任回避と曖昧な態度で一貫しているに過ぎない」と述べた。また、「なぜ戒厳解除決議に即時対応せず、むしろ軍の移動など威圧的な行動を取ったのかについて説明がなかった」と指摘した。
民主社会のための弁護士の会(民弁)は「非常戒厳の宣告が切迫した状況から来たとして自己弁護を行い、憲法破壊犯罪を単に『不安』や『不便』を与えた出来事に矮小化した」と批判し、「国民を欺いてはならない。国民の意志は明白だ。『国民の力』は今回の談話を利用して任期短縮改憲などを検討し、国民の意志に背く考えを持つべきではない。憲法破壊犯罪者であるユン・ソンニョル大統領に対する弾劾訴追に協力せよ」と訴えた。
参与連帯は国会に対し、弾劾訴追案を可決するよう求めた。同団体は「奇襲的な違憲・違法な戒厳で憲政秩序を蹂躙し、国政を麻痺させた挙句、『何も間違ったことはない』と言わんばかりに沈黙を続け、弾劾だけは避けようと謝罪のふりをした」と批判。「国会は一刻も早く弾劾訴追案を可決すべきだ」と主張した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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