福岡の名物として知られ、全国の食卓で愛されている「明太子」の起源について局所的な注目が集まっている。
韓国メディア『ウィキツリー』は最近、「日本の国民的おかず1位と言われるも…多くが誤解している“韓国の伝統料理”」というタイトルの記事で、「明太子は1800年代末の料理本『是議全書』に登場する韓国の伝統食品だ」と伝えた。
記事によると、明太子は「咸鏡道(ハムギョンド)が原産地と推定され、朝鮮戦争時に避難民と共に南下し、釜山(プサン)を中心に全国に広まった」という。そして戦後、日本に伝えられたそうだ。
ただ、明太子の起源が韓国であることについては、さほど議論の余地はないだろう。
日本の「全国辛子めんたいこ食品校正取引協議会」のホームページにも「すけとうだらの卵を加工して食べる食文化は、17世紀ごろには朝鮮半島で広まっていたとされており、赤唐辛子やニンニクでまぶしたキムチやコチュジャン等と同じように辛子めんたいこは古くから唐辛子を使用した朝鮮半島の伝統的食品の1つ」と紹介されている。
そこでは「昭和の初期から、この唐辛子やニンニクでまぶした辛子めんたいこが日本に輸入されるようになった」と説明されていた。
ただ、韓国ではたびたび明太子の起源の話が出てくる。
それは、明太の世界年間生産量5万トンのうち、90%にあたる4万5000トンを日本が消費しているため、どうしても日本料理という印象が強いからだろう。韓国では残りの5000トンを消費しているにすぎない。
実際に2020年11月にも『聯合ニュース』が「明太子、元祖は日本ではなく釜山・東区」という記事を出している。
この記事では「多くの人が日本の代表的な料理だと思っている明太子」と書き出し、「一般的に知られている事実とは異なり、明太子の発祥地は日本ではなく韓国」と強調している。
同記事では「1876年の江華島条約締結後、日本人は開港地に進出して商売を始め、釜山で生活するようになった。その後、日本人に雇われて働いていた朝鮮の労働者たちは、賃金の代わりに卵やエラなどの副産物を受け取っており、それを塩辛として漬けたものが広まったとされる。当時、釜山に住んでいた多くの朝鮮人が明太子を好んで食べるようになり、これが名物となり始めた」と説明された。
そして終戦後、その味を忘れられなかった釜山で生まれた日本人・川原敏夫氏が帰国し、明太子を商品化して販売し始めたそうだ。
日本と韓国では様々な起源について、議論となるケースが少なくない。例えば、韓国では最近、「折り紙」の起源は「ジョンイジョプキ」という論調がある。また、ソメイヨシノの起源も韓国・済州(チェジュ)にあるという主張が根強い。
こうした主張と比べると、明太子の起源については日韓双方が「韓国」と認めているため、大きな議論には発展しにくい。だからこそ、なんとなく日本の料理と考えられてしまうため、韓国メディアも定期的に報じているのかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■日本の“折り紙”の起源?韓国の「ジョンイジョプキ」が世界化へ向け動き出す
前へ
次へ