韓国大統領の弾劾審判、憲法裁の結論で分かれる2つのシナリオ…60日以内の「大統領選挙」か即日の「職務復帰」か

2025年04月02日 政治 #時事ジャーナル
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尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判の判決日が、4月4日午前11時に決定された。結論は大きく2つに分かれる。

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尹大統領が罷免される「認容」か、職務に復帰する「棄却・却下」かだ。

どちらの結論になるかによって、その後の政治的状況はまったく異なる展開になると予想される。

状況別シナリオを整理する。

認容の場合:60日以内に大統領選

憲法裁判所で認容決定が下されれば、尹大統領は罷免される。

2017年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾認容以来、約8年ぶりに現職大統領が罷免されることになる。尹大統領が退任すれば、憲法第68条に基づき、60日以内に早期大統領選挙が実施される。

憲法裁判所
(写真=写真共同取材団)憲法裁判所

朴槿恵元大統領のときは、2017年3月10日に弾劾認容の決定が出され、ちょうど60日後の5月9日に大統領選が行われた。当時、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選している。

今回、4月4日に弾劾認容の決定が下されれば、その60日後は6月3日となり、この日に大統領選が実施される可能性が高い。

通常の大統領選後には、2カ月の大統領職引き継ぎ委員会の期間が設けられるが、大統領の空位による選挙の場合は、大統領選の翌日に新大統領が就任する。実際、2017年も選挙翌日の5月10日に文在寅大統領が即日就任している。

与野党はすぐさま早期大統領選モードに入ると見られる。

野党では、「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が有力な大統領候補として出馬する見通しだ。

与野党通じて世論調査で常に首位を維持している李在明代表は、最近、公職選挙法違反の控訴審で無罪判決を受け、大統領候補としての立場を一層確固たるものにしたとの評価がある。短い選挙期間中に、非・李在明派が情勢をひっくり返すのは難しいという見方が支配的だ。

焦点は与党候補にある。

一部では、最近、尹錫悦大統領を中心に保守層の結束が見られることから、罷免後も「私邸政治」を通じて与党内に影響力を維持し、「尹心(尹大統領の意向)」が早期大統領選でも表れる可能性があるという観測も出ている。

そうなれば、事実上、再び「李在明vs尹錫悦」という前回大統領選と同様の構図が再現される可能性がある。

尹錫悦大統領
(写真=写真共同取材団)尹錫悦大統領

一方、弾劾後には与党が尹大統領と政治的に決別し、方針を180度転換するとの見方もある。

この場合、戒厳令反対や弾劾賛成など、これまで尹錫悦大統領を牽制してきた「潜在的候補」に力が集まることになる。いずれにせよ、与党の大統領候補を選ぶうえでの最大の変数は「尹大統領との距離」となりそうだ。

現在、有力な与党候補としては、キム・ムンス雇用労働部長官、オ・セフンソウル市長、ホン・ジュンピョ大邱市長、ハン・ドンフン「国民の力」前代表などの名前が挙がっている。

棄却・却下の場合:尹大統領が職務復帰

憲法裁判所が棄却または却下の決定を下した場合、尹錫悦大統領は直ちに職務に復帰する。この場合、大きな混乱が起こる可能性があると見られている。

すでに12月3日の戒厳令で政治的に大きな打撃を受けた尹錫悦大統領に対し、反発する世論と野党が強く結集する恐れがある。

保守系論客とされるキム・ジン前『中央日報』論説委員は、3月31日のCBSラジオ『パク・ジェホンの一騎打ち』のインタビューで、もし弾劾が棄却された場合、民衆によるデモが起こり、尹錫悦大統領が一日も持たない可能性もあると予想した。

「共に民主党」李在明代表
(写真=時事ジャーナル)「共に民主党」李在明代表

こうした強い反発を予想してか、尹錫悦大統領は弾劾審判の最終弁論で、職務に復帰した場合は憲法改正など政治改革に注力し、任期にはこだわらないとの意向を示した。

しかし、野党が協力しない可能性や、尹錫悦大統領が反発に対抗しようとするなかで、激しい混乱が生じるとの見方もある。

また、却下決定が出た場合、それは一事不再理の原則に該当しないため、野党が再び尹錫悦大統領に対して弾劾を推進する可能性があるという見方もある。

ただし、4月18日には文在寅前大統領が任命した2人の裁判官が退任し、その後任に尹錫悦大統領が新たな裁判官を任命できるため、野党が再び弾劾を進める可能性は高くないという分析も出ている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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