韓国球界にまたしても“八百長”問題が浮上した。NCダイノスの投手であるイ・テヤンが八百長に加担した容疑で韓国の昌原(チャンウォン)地検特捜部から調査を受けていたことが発覚したのだ。
この事実を受けて、NCダイノスは7月20日に謝罪文を発表。「選手管理の責任を痛感しており深く謝罪します。イ・テヤンの処分と契約解除承認については韓国野球機構(KBO)に要請しました」としている。
では、イ・テヤンとはどんな選手なのか。
1993年生まれのイ・テヤンは、高校時代からサイドスローの本格派として知られ、2011年ドラフト2巡目14位でネクセン・ヒーローズに入団。2年間はこれといった活躍を見せられなかったものの、2013年からNCダイノスに移籍すると徐々に頭角を現し、2015年シーズンはデビュー後初の10勝をあげた(シーズン通算10勝5敗)。
また、昨年は韓国代表にも選ばれ、「WSBSプレミア12」にも出場。今季は10試合に登板し、2勝2敗の成績を収めていた。
検察はこのイ・テヤンのほかに、ネクセン・ヒーローズ所属で現在は兵役のために国軍体育部隊に属するムン・ウランも同じく八百長に加担した対価として金品を受け取ったとして起訴する方針だという。イ・テヤンとムン・ウランはプロ同期だった。
韓国球界で“八百長スキャンダル”が発覚するのは今回が初めてではない。2012年にも当時、人気球団LGツインズの投手だったパク・ヒョンジュンとキム・ソンヒョンが違法スポーツ賭博の八百長に加担していたことが明るみになり、それぞれ懲役6カ月・執行猶予2年の判決を宣告されている。
それだけに今回の余波が韓国球界にどんな悪影響をもたらすことになるだろうか。というのも、ここ最近、韓国球界では選手たちの不祥事が相次いでいるのだ。
昨年秋にはサムスン・ライオンズの主力選手たちが海外のカジノで違法賭博をしていたことが発覚。ユン・ソンファン、アン・ジマン、そして元ヤクルト・スワローズのイム・チャンヨンなどか俎上に上がり、当時、阪神タイガースでプレーしていたオ・スンファンも同席していたことから一大スキャンダルに発展した。
また、昨年冬にはKTウィズの捕手チャン・ソンウの元恋人がSNSで私生活を暴露し、その中には元チームメイトのカン・ミョンホや、韓国人気ナンバーワンチアドルのパク・キリャンに対する事実無根の暴言もあって、チャン・ソンウはパク・キリャンから名誉毀損で訴えられた。
その事件のあとには同じくKTウィズの投手チャン・シファンの元恋人が破局を理由にチャン・シファンの私生活をSNSで暴露し、問題になった。
今年3月にはKTウィズの外野手オ・ジョンボクの飲酒運転が発覚。
7月にようやくチャン・ソンウ問題が解決した矢先に、今度はKTウィズのベテラン内野手キム・サンヒョンが住宅街に自分の車を停めたあと、通行人の女子大生を見ながら自慰行為をしていたという前代未聞の公然わいせつを起こしているのだ。
選手たちの失態・不祥事が続く韓国プロ野球。再び浮上した“八百長スキャンダル”への対処に注目が集まっている。
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