2016年シーズン、Kリーグに新たに日本人選手がやってくる。渡邊大剛がその人だ。
京都サンガ、大宮アルディージャに在籍し、J1通算214試合、J2通算103試合に出場してきたベテランが韓国にやってくるのだ。
渡邊を獲得したのは、釜山アイパークだ。釜山アイパークは、もともと大宇(デウ)グループを親会社にする釜山大宇ロイヤルズという名で創立されたチームだが、大宇グループが1999年に崩壊。2000年に現代(ヒュンダイ)産業開発が買収し、現在の釜山アイパークとなった。現代産業開発は現在のKFA(大韓サッカー協会)会長を務める鄭夢奎(チョン・モンギュ)氏がオーナーの会社。言わば釜山アイパークは由緒正しき血統を持つクラブだ。
だが、昨季はKリーグ・クラシック(1部リーグ)11位に終わり、Kリーグ・チャレンジ(2部リーグ)3位ながら昇格プレーオフ(リーグ戦2位~4位が参加)を制した水原(スウォン)FCと昇降格決定戦を戦い、2戦2敗で敗れて今季はKリーグ・チャレンジに降格することになった。
そんな釜山アイパークが、1部昇格への起爆剤として獲得したのが渡邊大剛だ。
若手中心のメンバー構成である釜山は、渡邊の円熟味に期待を寄せるとともに、彼の“昇格経験”を高く買っているという。渡邊は大宮アルディージャが2部降格した2014年、ベテランとして舵を取りチームの再建に努めた。釜山アイパークはその求心力を高く評価し、獲得に動いたという。
「渡邊が日本選手特有のパスプレーと創造的な攻撃展開が特長であるだけに、若い選手たちに多様な経験を伝授してくれるだろうと期待している」とは、釜山アイパーク関係者の言葉だ。釜山アイパークを率いるチェ・ヨンジュン監督も、「ベテランである渡邊の加入は釜山の若い選手たちに生活面やプレー面で大きな助けになるだろう」と期待を寄せている。
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