没後1年…故・三浦春馬さんと韓国の“浅はかならぬ良き関係”

2021年08月18日 話題 #ドラマ #事情
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俳優の三浦春馬さんが亡くなって1年が過ぎた。三浦さんに関する情報は今でも途切れない。8月6日から出演作である映画『太陽の子』が公開されたこともあるだろうか、三浦さんにまつわる記事を見かけることが多い今日この頃だ。

そんなこともあって個人的に思い出すのは、2019年の夏に放映されたドラマ『TWO WEEKS』(関西テレビ・フジテレビ系)だ。

一度は人生を捨てた男が白血病を患う8歳の娘の存在を突然知り、娘のドナーとして再び生きる意味を見つけるも、殺人の濡れ衣を着せられて逃亡劇を繰り広げるヒューマンサスペンスで、三浦さんは主人公の結城大地を演じていた。

実は同作は韓国のリメイク作品だ。同じ頃、日本では『サイン―法医学者柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)、『ボイス110緊急指令室』(日テレ系)と韓国ドラマをオリジナルとするリメイク作品が多く放映されたが、『TWO WEEKS』もそのひとつだった。

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そのことは韓国でも報じられており、韓国メディアの『スポーツ京郷』も2019年7月13日付けで「日本ドラマ、韓国リメイクにハマッた」と報道。「悪化する韓日関係に左右されず、日本で韓国ドラマのリメイクが増えている」と報じていたほどだ。

そんな韓国メディアが『TWO WEEKS』の日本リメイク関連ニュースで、最も多く取り上げていたのは、「『TWO WEEKS』日本でリメイク。主人公は三浦春馬」(『CNBニュース』)、「『TWO WEEKS』、日本のフジテレビがリメイク、三浦春馬が主演」(『ニュース1』)など、三浦春馬さんのことだった。

三浦さんが過去に出演したドラマや映画のいくつかは韓国でも公開されており、特に彼が主演した映画『進撃の巨人』は、韓国でも根強い原作ファンがいることもあってエレン役を演じた三浦さんは有名だったのだ。

2019年8月の『ソウル国際ドラマアワード』出席のために韓国を訪れた故・三浦春馬さん

『OSEN』などは「『TWO WEEKS』が日本でリメイク、“進撃の巨人”俳優が主役に」という大見出しだった。

韓国では大ヒット映画『王の男』などで中性的なイメージが強かったイ・ジュンギが『TWO WEEKS』で主人公を演じ、それまでとは異なる新たな魅力を示していただけに、三浦さんへの期待も大きかった証でもある。

ちなみに韓国の『TWO WEEKS』は2013年に民放テレビMBCの「水・木ドラマ」として放映された。放送回数は全16話。

日本で連続ドラマというと週1回が多いが、韓国では「月・火」「水・木」「週末(土・日)」と2日連続で放映されるのが定番(月曜~金曜までの「毎日ドラマ」と呼ばれる枠もある)なのだが、『TWO WEEKS』はそのタイトル通り、2週間の出来事を描いており、韓国版では一日の出来事が1話ずつ描かれながら物語が進んでいくことも、緊張感を生んでいた。

もうひとつ小ネタを紹介すると、韓国の『TWO WEEKS』の前にMBCの「水・木ドラマ」枠で放送されていたのは、『女王の教室』だった。

2005年に天海祐希主演で日本テレビ系列で放映されたドラマの韓国リメイク版だ。

ただ、韓国版の『女王の教室』は永遠の美人女優コ・ヒョンジョンが演じたものの、平均視聴率9.5%と苦戦。近年、韓国では多くの日本ドラマがリメイクされているが、『女王の教室』は日本のオリジナル版ほどの反響は得られなかった。

そして、日本版の『TWO WEEKS』。主演を演じた三浦さんが故人になってしまったことは悲しく残念だが、三浦さんも日韓ドラマ・リメイク史を築いたひとりとして長く記憶されることを願わずにはいらない。
 

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