8月31日から韓国にに来ている。9月2日から始まったカタール・ワールドカップアジア最終予選などを取材するためだが、韓国対イラク戦のテレビ中継席に懐かしい顔があった。
かつて韓国代表で活躍したイ・ドングッだ。
19歳で1998年のフランスW杯に出場し、2000年シドニー五輪、2000年アジアカップ(得点王)、2010年ワールドカップにも出場。国際Aマッチ出場歴は103試合33得点を数え、ブレーメン(2000-2001年)、ミドルズブラ(2006-2008年)などヨーロッパでもプレー。
Kリーグでは得点王1回(2009年)、アシスト王1回(2011年)、シーズンMVPに至っては4回(2009、2011、2014、2015年)を数える。
そんな彼も昨年限りで現役を引退。現場で再会して近況や昔話で盛り上がったが、彼とは忘れられない取材がある。1998年10月に東南アジアのタイ・チェンマイでの取材だ。
そのとき、チェンマイでは第31回アジアユース(U-19)選手権が行われた。
当時、日本は清雲栄純監督がチームを率い、小野伸二、稲本潤一、高原直泰、中田浩二、本山雅志、小笠原満男、播戸竜二など錚々たる顔ぶれが揃っていた。言わば“黄金世代”だ。
韓国も同様だった。19歳で1998年ワールドカップに出場したイ・ドングッをはじめ、2002年ワールドカップで活躍したソン・ジョングッやソル・ギヒョンがいたし、キム・ウンジュン(元仙台)、パク・トンヒョク(元柏レイソル)、ソ・グァンス(元岐阜)など、その後、Jリーグにやって来る選手もいた。
そんな選手たちが激突。日本と韓国はグループリーグでまず対決し、決勝戦でも雌雄を決する。ともに勝利したのは韓国で、日本は準優勝に終わったが、両雄にはピッチでの激しい対決とは別に、もうひとつの知られざるエピソードがあったことをご存じだろうか。