そんな、日本のゴルフブーム以上に盛り上がっているのが韓国ゴルフ界だ。実際、韓国レジャー産業研究所によると昨年基準と推定した国内ゴルフ人口は515万人であり、ざっと韓国人10人のうち1人がやっている計算になる。
国民の10人に1人が!? 韓国でゴルフ人口が爆発的に増えたワケ
しかし、こうしたゴルフブームに水を差しているのが、ゴルフ場のボッタクリ料金だ。実際、世論調査機関リアルメーターの運営YouTubeチャンネルが、全国18歳以上の成人男女500人を対象に「ゴルフ場利用料満足度」をアンケートした結果、回答者の54.22%が「利用料を下げなければならない」と回答している。
その内、「30%以上下げなければならない」が29.0%で最も多く、「50%以上下げなければならない」も25.2%に達した。「現在の金額が適正だ」という18.5%、「よく分からない」が27.2%という結果になった。
以前から、「暴利・ボッタクリ」を追求されている韓国のゴルフ場。コロナ禍において、歴史的な好景気となっている。
こうした景気のいい話が続く韓国ゴルフ場経営だが、増加した売上や収入に対して、本来の個別消費税(個所税)の納付はむしろ減ったことが分かった。
12月26日、韓国国税庁が公表した資料によると、昨年のゴルフ場運営を主業種とする法人事業者の付加価値税申告現況のうち、売上課税標準は5兆9155億ウォン(約5915億円)に達した。これは、コロナ禍前の、2018年に記録した4兆5105億ウォン(約4510円)より15.4%増加したもので、1兆4000億ウォン(約1400億円)も大幅に増えた。
問題なのは、このように大幅増収にかかわらず、2020年のゴルフ場事業者が納付した税金は1836億ウォン(約183億円)で、2019年の1934億ウォン(約193億円)よりもむしろ5.1%減っていることだ。
実は、韓国では1999年より大衆ゴルフ場に様々な恩恵を与えている。
大衆ゴルフ場はなんとゴルフ場利用料金から開所税など約2万ウォン(約2000円)相当の税金を免除され、財産税も会員制ゴルフ場の約10分の1程度で済むのだ。
その結果、新型コロナウイルスの影響で、利用客増加による増収はあっても、大衆ゴルフ場に対する多様な税制の恩恵によって、むしろ税収が減少する悪循環が起っているのだ。
ある議員は「コロナ禍以後、国内ゴルフ人口増加でゴルフ場の輸入が増えているが、その恩恵が国民に戻らずゴルフ場事業者にしか還元されていない」と苦言を呈している。
こうした報道に対して、韓国ネット民も「ボッタクリしているとわかっている場所にわざわざ行く方がどうかしている」、「こうやってブームが廃れていくのがわからないかな」など、怒りの声を上げる人が多い。
空前のゴルフブームを迎えた韓国。ゴルフ人口増加で楽しくプレイできる人が増えたかもしれないが、本当に微笑みを浮かべているのゴルフ場だけなのかもしれない。
文=サーチコリア編集部
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