韓国でも人気を博した新海誠監督の『すずめの戸締まり』の同国でのテレビ放送が急遽取り消され、様々な憶測が飛び交っている。
【注目】「君が代』騒動まで…「8月15日」に韓国で起きたこと
もともと『すずめの戸締まり』は、韓国の公共放送局であるKBS 2TVで12月24日21時50分から放送される予定だったが、突然取り消されたという。
KBS側は公式に立場を発表しておらず、その時間には映画『ラブリセット 30日後、離婚します』が放送された。
この取り消し騒動は現在、様々な憶測を呼んでいる。
オンラインコミュニティでは、まずKBSの過去の“やらかし”が指摘された。
それは、今年8月15日の出来事だ。日本では「終戦の日」と呼ばれる8月15日は、韓国では「日本の植民地支配から解放されたことを祝う日」として「光復節(クァンボクチョル)」とされている。
そんな記念すべき日に、KBSは「第15回韓国オペラフェスティバル」で上演されたオペラ『蝶々夫人』を録画中継した。女性主人公が終始着物を着て登場するほか、結婚式の場面で日本の国歌である『君が代』のメロディが挿入される舞台を「光復節」に放送したとして、批判が殺到する事態となった。
最終的にKBSは「理由の如何にかかわらず、細部まで確認しないまま、光復節に視聴者の皆様に心配をかけた点について謝罪申し上げる」と頭を下げている。
そんな『君が代』騒動を教訓にして、政治的に微妙な時期に『すずめの戸締まり』を放送することをためらったのではないかという推測だ。
ただ、クリスマスと日本アニメに関連性がないという理由から、『すずめの戸締まり』の内容自体が取り消しの原因ではないかとの意見も少なくない。
『すずめの戸締まり』は東日本大震災をはじめとする日本の災害をテーマにした作品であるため、放送決定後、一部の視聴者から「内容が重すぎる」といった抗議があったという。オンラインコミュニティでも「クリスマスイブに放送する内容だろうか」という声があった。
だが『すずめの戸締まり』は、韓国で557万人を動員し、同国で公開された歴代日本アニメ映画の最多観客動員数を記録した人気作でもある。今さら内容が問題になるとは考えづらい。
いずれにしてもKBSが公式立場を明らかにしないことで、視聴者の混乱と憶測が一層広がっている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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