「日帝(大日本帝国)支配下の日本人裁判官よりも劣る」と憲法裁判所を批判した韓国の地方検察庁トップに対し、市民団体が解任を要求した。
江原(カンウォン)地域の市民社会団体が2月14日、春川(チュンチョン)地検前で記者会見を開き、「大検察庁は内乱犯を擁護し、親日発言をしたイ・ヨンリム地検長を直ちに解任せよ」と要求した。
会見に参加した市民団体は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権退陣・江原運動本部」や「江原民主財団」「民主主義と民生社会の公共性実現を目指す春川共同行動」などだ。
これらの団体は、「イ地検長の発言はまったく事実に基づかない一方的な主張であり、安重根(アン・ジュングン)烈士の崇高な精神を死刑という極刑で処した日本の裁判所を擁護する反国家的かつ反歴史的な暴言だ」と批判した。
また「イ地検長は自ら親尹派の検察官であることを公言し、歴史的事実を歪曲し、憲法裁判所の審理過程も歪めた」と指摘し、「公務員の政治的中立義務に違反するものであり、抗日愛国烈士である安重根烈士の死刑判決すら正当だと主張する親日的な視点と何ら変わらない」と糾弾した。
団体は「今日は安重根烈士が日本の侵略者によって不当な判決で死刑を宣告された日だ」とし、「虚偽の扇動で検察官としての品位を捨て、根拠のない主張で内乱犯を擁護したイ地検長は国民の前で謝罪せよ」と強く求めた。
事の発端は、2月12日にイ地検長が検察の内部ネットワークに、「日帝支配下の日本人裁判官よりも劣る憲法裁判所を見ながら」というタイトルの投稿をしたことだ。
その投稿でイ地検長は、安重根が伊藤博文を暗殺して逮捕され、裁判を受けた際、最終弁論で1時間30分にわたって陳述した事例を引き合いに出し、「ムン・ヒョンベ裁判官は第6回弁論で証人尋問後、3分間の発言機会を求めた大統領の要求を『いいえ、お帰りください』と一蹴した」と批判した。
そして「この態度は、同じ日に申立人側であるチョン・チョンネ共に民主党議員の要請に応じ、追加の意見表明の機会を与えたことと鮮明に対照を成している」と指摘した。
イ地検長と関連する一連の議論に、オンライン上では意見が分かれている。
批判的な反応としては「親日ニューライトは韓国国民ではない」「公務員の政治的中立は義務ではないのか」「親尹派の検察官が必死に擁護しているだけ」といった声が上がった。
一方、「また左派が反日扇動している」「まったく市民を代表していない市民団体」「これが反国家勢力か。憲法裁判所がひどいのは事実」と、イ地検長に同調する反応もあった。
ただでさえ日本統治時代に関する評価が分かれるなかで、イ地検長の投稿は尹大統領の弾劾問題とも絡み合っているだけに、議論の収束は容易ではなさそうだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■「日本の植民地時代を称賛したら処罰」法案?韓国が“その時代”に異常なこだわりを見せる理由
前へ
次へ