面識ない40代女性を無差別に刺殺…無期懲役の韓国人男性が「位置追跡電子足輪」必要なしと判断された理由

2025年11月09日 社会 #時事ジャーナル
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韓国の忠清南道舒川郡(チュンチョンナムド・ソチョングン)で面識のない女性を殺害した容疑を受けているイ・ジヒョンが、1審に続き2審でも無期懲役を言い渡された。ただ、2審では位置追跡電子装置(電子足輪)の取り付けが「必要ない」と判断された。

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大田(テジョン)高裁・刑事1部(パク・ジンファン部長判事)は11月7日、殺人および殺人予備の容疑で起訴されたイ・ジヒョンに対し、1審と同じ無期懲役を宣告し、電子足輪付着命令を棄却した。

2審裁判部は「この事件の以前にいかなる犯罪も犯していない初犯である点、再犯危険性評価などで危険性が中間水準で現れた点などを考慮した原審の判断は正当である」とし、「無期懲役が宣告された点などを考慮して、検察が提出した証拠だけでは刑の終了後に電子足輪付着を命令するほどの事情がない」と伝えた。

イ・ジヒョン
(画像=忠清南道警察庁)警察が公開したイ・ジヒョンの顔写真

これに先立ち、イ・ジヒョンは、今年3月2日午後9時45分ごろ、忠清南道舒川の沙谷里(サゴクリ)のある道路沿いで、面識のない40代女性A氏を刃物で複数回差し、殺害した容疑で起訴された。

A氏の家族は、A氏が帰宅しないとして警察に通報。通報を受けた警察は捜索を行い、翌3日午前3時45分ごろ、亡くなった状態のA氏を発見した。

警察は事件現場付近の防犯カメラ(CCTV)などを分析し、イ・ジヒョンを有力な容疑者として特定。動線を追跡し、居住地で緊急逮捕した。

イ・ジヒョンは警察調査で「詐欺に遭ってお金を失い、極度のストレスで衝動的に犯行を犯した」と供述した。

事件を引き継いだ検察は、イ・ジヒョンがコイン投資サイトに数千万ウォンを投資し、損失を被った状態で融資も拒否され、社会に対する怒りと身の上の悲観から犯行に至ったものと見た。

特に、イ・ジヒョンは犯行当日、あらかじめ準備した刃物を衣服に隠して外出し、犯行現場周辺を徘徊していた中で犯行に及んだこと、また犯行の約1カ月前から「皆殺しにする」といった趣旨のメモを書いていたことが確認された。

検察は防犯カメラの分析を通じて、イ・ジヒョンが犯行前に別の女性を見つけてつけ回した姿を捉え、殺人予備の容疑も追加した。

検察は、イ・ジヒョンが再び殺人犯罪を犯す危険性が高いとして無期懲役を求刑し、電子足輪付着命令を請求した。

1審は「被告人が心神耗弱状態を主張しているが、行為の違法性を十分認識しており、減刑の理由を見出し難い」としてイ・ジヒョンに無期懲役を宣告した。また保護観察も命じたが、電子足輪付着命令は棄却した。

電子足輪付着命令を下さなかった1審判断に不服とした検察は控訴したが、裁判所の判断は変わらなかった。イ・ジヒョンも当初は控訴したが、その後突然取り下げている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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