各国の祝日は、その国の文化や価値観を示す興味深い材料ではないだろうか。
日本の法廷祝日は、労働政策研究会・研修機構の「データブック国際労働比較2015」によると、計15日となっている。
「元日」(1月1日)にはじまり、「成人の日」(1月第2月曜日)、「建国記念日」(2月11日)、「春分の日」(3月21日)、「昭和の日」(4月29日)、「憲法記念日」(5月3日)、「みどりの日」(5月4日)、「こどもの日」(5月5日)と上半期は計8日。
下半期は「海の日」(7月第3月曜日)、「敬老の日」(9月第3月曜日)、「秋分の日」(9月23日)、「体育の日」(10月第2月曜日)、「文化の日」(11月3日)、「勤労感謝の日」(11月23日)、そして「天皇誕生日」(12月23日)の計7日で、年間15日となる。
年間の祝日が計15日というのは、国際的に見ると多いといえるかもしれない。
同資料ではアメリカ(振替休日を含めて11日)、ドイツ(10日)、フランス(11日)、イギリス(8日)となっているためだ。
韓国の祝日も、日数は日本と同じ年間15日。日本では考えられないような祝日もあるため、一つひとつ見ていこう。
まず、「元旦」(1月1日)があり、続いて「旧正月」(陰暦1月1日と前後日)も祝日となっている。
3月には、「3.1節」(3月1日)という祝日があり、これは1919年3月1日の「3.1運動」を記念した日だ。
「こどもの日」(5月5日)、「仏誕節」(陰暦4月8日:釈迦の生誕日)、「顕忠日」(6月6日:殉国人士や戦没将兵を慰労する日)などが、上半期の祝日。
7月は祝日がなく、「光復節」(8月15日:独立記念日)、「秋夕」(陰暦8月15日と前後日:朝鮮半島の伝統的な祭日。祖先祭祀や墓参りなどを行う)、「開天節」(10月3日:朝鮮半島最初の国家とされる古朝鮮の建国を記念した日)など、日本では想像もつかない祝日が続く。
さらに、韓国語の原型である訓民正音が頒布されたことを記念した日として「ハングルの日」(10月9日)があり、「クリスマス」(12月25日)も韓国ではお休みだ。
こうして羅列してみると、元日を除けば日本の祝日とは大きく異なる。当たり前のことだが、隣国同士であっても日韓は、文化的にまったく違うわけだ。
ただ一つだけ、ぴたりと名称も日付も同じ祝日がある。
それは5月5日の「こどもの日」だ。子供を思う親の気持ちは、日韓共通なのかもしれない。
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