韓国で自殺者数が13年ぶりの高水準となったなかで、その原因の解明に迫る研究結果が発表された。
韓国統計庁が最近発表した資料によると、2024年の自殺者数(暫定値)は1万4439人となった。これは2011年の1万5906人以来の高水準だ。
人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺率は28.3人となっており、経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでもワーストだ。
韓国の自殺率が高い原因のひとつに「うつ病」が挙げられることも多いが、他の精神疾患のリスクが高いという研究結果が出た。
3月3日、サムスンソウル病院精神健康医学科のチョン・ホンジン教授、翰林(ハンリム)大学聖心病院精神健康医学科のキム・ヘウォン教授、崇実(スンシル)大学情報統計保険数理学科のハン・ギョンド教授らが参加した共同研究チームによると、「パーソナリティ障害」がある場合、他の精神疾患に比べて自殺のリスクが高いことがわかった。
「人格障害」とも呼ばれるパーソナリティ障害は、物事の捉え方、思考、行動のパターン、感情のコントロールなどの精神機能の偏りから生じる。
特徴として、▲他者に対して過度の不信感や疑念を抱く▲他人の関心や注意を引くために舞台に立っているかのように振る舞う▲対人関係や情緒が不安定で衝動的な特徴を持つ▲他人との交流を避けるなど、様々な種類があるとされる
チョン教授らの研究チームは、20歳以上の成人395万1398人を2009年から2021年まで追跡観察した。追跡観察対象者のうち26万3754人が精神疾患を経験し、1万2290人が自殺で命を絶った。
彼らの死亡原因を分析した結果、「パーソナリティ障害」がある場合の自殺リスクは、一般の人よりも7.7倍も高いことがわかった。
他の精神疾患と比べると、その高さがわかる。
躁状態とうつ状態が交互に現れる「双極性障害」は6.05倍、幻覚や行動異常が持続する「統合失調症」は5.91倍、特定の思考や行動を繰り返す「強迫性障害」は4.66倍だった。特に「うつ病」の自殺リスクは2.98倍で、相対的に低い数値だった。
つまり、パーソナリティ障害の患者は最も自殺リスクが高いにもかかわらず、これまで十分に注目されてこなかったということになる。
研究結果を発表したチョン教授は「パーソナリティ障害が自殺と深く関連していることが明らかになった以上、パーソナリティ障害を早期に診断し、治療へとつなげられるよう、周囲の関心と支援が必要だ」と強調した。
この研究結果を受け、韓国のオンライン上では「パーソナリティ障害を持つ人は、自分の病気をまったく認められない人が多い」「カウンセリング費用だけでもめちゃくちゃ高い。しかも数回で治るものでもない」「この国で生きていくには、まともな精神状態ではやっていけない。過酷で、常に比較され、必死に生き抜かなければならない」といった反応が寄せられた。
今回発表された研究結果が、韓国の自殺率を改善する大きなきっかけになることを願うばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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