知らない土地での待ち合わせなどで、地図アプリを利用する人は多いだろう。特に、グーグルマップはその精度の高さもあり、世界中で多くの人が利用している。
しかし、お隣・韓国でグーグルマップが十分に機能しないという事実はあまり知られていない。
韓国でグーグルマップが十全に使えないのは、国家安全保障上の理由からであり、外国企業へ詳細な地図情報を提供することが制限されているからだ。かつて、円滑なサービスのために高精度地図の海外搬出が必要だというグーグルの要請を、韓国政府は2度拒絶した。
グーグルは今年2月、約9年ぶりに韓国政府に高精密地図データの海外搬出を要請している。また、アメリカ国内の業界で韓国政府の方針が「不公正」という指摘が出てきて搬出につながるか関心が集まっている。
現状、グーグルマップがそのような状態であるため、不便を被っているのは、韓国を訪れた外国人観光客だ。
韓国観光公社が外国人観光客を対象に、韓国旅行中に使用したアプリに関する調査を行ったところ、「最も不便だったアプリ」としてグーグルマップを挙げた回答が30.2%で1位となった。主な不満点としては、「徒歩での経路検索など、一部のサービスが制限されていること」(31.2%)が挙げられた。
一方、地図アプリ「NAVER地図」(9.8%)や「カカオT」(8.3%)についても不便を感じたという声はあったが、その主な理由は「多言語対応の不足」であり、グーグルマップとは不便の質が異なっていた。実際、NAVER地図とカカオTでは「多国語が対応していない」との回答がそれぞれ36.4%、27.7%に上っている。
観光客誘致に力を入れている韓国にとって、地図アプリの精度不足は大きな足かせとなっている。
一部では、高精度地図データ提出を阻んでいる政府政策が緩和されるだけで、2年間で33兆ウォン(約3兆4000億円)の観光収入の増加が予想されるという主張も出ているほどだ。
こうした状況に国内では「安全保障は言い訳で、国内企業への忖度」「韓国が日本を見てガラパゴスというときが一番おもしろい。大企業の利益のためにすべてを停滞させておきながら、どの口で日本をガラパゴスといえるのか」など、厳しい意見も多く上がった。
目的地を入力するだけで道に迷わずに観光を楽しめる地図アプリ。その精度が向上すれば、観光客にとってはありがたいと思うのだが…。
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