韓国経済は昨年より緩やかな回復傾向を示しているものの、国民が感じる「体感景気」は2020年以来、最も低い水準に落ち込んだことがわかった。
幸福指数も再び下落に転じ、社会問題が国民の生活に与える否定的な影響が強まっているという調査結果が出た。
11月6日、SKグループが設立した非営利研究財団・社会的価値研究院(CSES)と、社会問題解決コンサルティング企業「Triplelight」が共同で発表した「2025社会問題認識調査」によると、国民1000人を対象とした調査で、全般的な経済体感度と社会的信頼度が大幅に低下していることが明らかになった。
CSESの調査結果によると、国内総生産(GDP)成長率は2024年第2四半期のマイナス0.2%から今年第2四半期には0.7%へと反発し、景気回復の兆しを見せた。しかし、国民の経済に対する評価はむしろ悪化した。
国民が感じる「国家経済評価」は2020年の5.13点から今年は3.88点へと下落し、調査開始以来の最低値を記録した。
個人の幸福度も2024年の6.54点から今年は6.34点へと低下した。一方で、社会問題が生活に及ぼす否定的影響は、2020年の6.54点から今年は6.97点に上昇し、過去最高値を示した。
また、自分を「中産階級」と認識している割合は39.5%にとどまり、2023年に韓国統計庁が発表した実際の中産階級比率(59.3%)を大きく下回った。韓国国民は、実際よりも自分を低い階層に位置づける傾向を見せている。
社会的なつながりも弱まっている。周囲に「頼れる人がまったくいない」と答えた人の割合は、2024年の4.1%から今年は9.8%へと倍以上に増加した。さらに、社会問題の解決を目的に投票や不買運動、責任ある消費などの行動を実践した経験があると答えた割合も、2020年の34.5%から今年は23.0%へと減少した。
企業の役割に対する認識では、55.1%が「成長」よりも「ESG(環境・社会・ガバナンス)経営」を優先すべきだと回答。一方で、「成長」を重視する回答は44.9%だった。
CSESは今年初めて、企業の成長と社会問題解決のバランスを探るための「サステナビリティ・マップ」を提示した。このマップは「ソーシャル・インパクト」と「ビジネス・インパクト」という2つの基準で4つの領域に分けられており、企業が社会的価値と経済的成長を同時に考慮できるよう設計されている。
CSESのナ・ソククォン代表理事は「経済指標は改善しているように見えるが、“学習された無力感”から抜け出せない現状で、社会的資本の拡充が切実に求められている」と指摘した。
また、Triplelightのチョン・ユジン共同代表は「景気低迷への懸念から、社会問題を解決しようとする意欲が過去最低水準に落ち込んでいる」とし、「いまこそ協力と統合を通じて危機を乗り越えるべき時だ」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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