徴兵制度が導入されている韓国では、10代後半から20代の男性は、約2年間を軍生活に捧げなければならない。
国民のほぼすべてが経験することだけに、不正を行い、徴兵から逃れようとすれば、例え人気スターであっても一気にバッシングされる。
【画像】韓国女子高生が送った軍人への“1枚の手紙”がトラブルに発展
一方、率先して参加する若者に対してはエールが送られる。ただその“エール”が強制となると、問題も生じてしまう。
昨年末、とある学校では学生たちに現役軍人への「慰問手紙」の執筆を強制した。すると一人の女生徒が「これからの人生には試練が多いのだから、これくらい勝てないと男ではないですよね?」「寒いし、雪が降っても頑張ってくださいね(笑)」などと、まるで相手を馬鹿にするような文言の手紙を書いていたことが発覚した。
軍人を馬鹿にするような“慰問手紙”は大きな問題となり、韓国内では「強要するほうも悪い」「人生を捧げてる人に送る言葉ではない」など、賛否両論の声が上がった。
そんな“慰問手紙”騒動に、新たな動きがあった。前出の“慰問手紙”が大きな議論を呼び、手紙を書いた女生徒の身元が暴かれる事態にまで発展したのだ。
そんななか、「学生に危害が加わるかもしれない状況で、本人の意思にかかわらず慰問手紙を書かされるのは大きな問題」とし、「未成年の女子学生が成人男性を慰める手紙を無理やり書くということが、どれほど不適切かを考えてほしい」という内容の国民請願が登場。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができる。
公式回答の要件を満たしたことで、3月11日、韓国大統領府は「政府と教育当局は今後、学校教育活動が社会変化とそれによる認識の変化を積極的に反映し、学生たちの自発的参加と実践に基づいて運営されるよう努力する」と表明した。
そんな政府の回答にオンライン上では「時代を考えれば当然だ」「行動が遅すぎる」などの意見を述べている。
徴兵される若者に対する激励。それはたしかに大事なことかもしれないが、それを強制するとやはり問題が生じてしまう。今後、慰問手紙の強制がなくなるのかどうか、注目したい。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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