韓国の次期大統領候補の一人が「原子力潜水艦を確保すべきだ」と主張した。
与党「国民の力」のアン・チョルス議員が3月6日、最近決裂したトランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談に言及し、そう主張した。
アン議員は同日、自身のフェイスブックに投稿した文章で「アメリカ・ウクライナ首脳会談の決裂は、大韓民国もいつでも国益と安全保障が重大な危機にさらされる可能性があることを示している」と述べた。
その上で「アメリカは北朝鮮を核保有国(nuclear power)として格上げして評価しているため、我々の対応能力もさらに引き上げなければならない」と指摘した。
彼は「トランプ政権は、アメリカの国益と徹底した費用対効果を重視する政府だ。与えるべきものは与え、受け取るべきものは受け取るという姿勢で交渉すべきだ」とし、「トランプ大統領が防衛費分担金の再交渉を求めるならば、我々も自国の要求を明確にし、進展した核共有協議を開始する最適なタイミングだ」と強調した。
またアン議員は、韓国の安全保障戦略として4つの方針を提示。まず、原子力潜水艦の早期確保の必要性を挙げ、「トランプ政権は強力なアメリカ海軍の再建のために韓国の造船技術を必要としている」とし、「アメリカ海軍の再建とともに韓国型の原子力潜水艦の導入を交渉すべきだ」と説明した。
さらに、日米韓の相互情報共有体制の再整備、米韓の「核協議グループ(NCG)」を「核計画グループ(NPG)」に格上げすること、アメリカとの原子力協定を改正し、使用済み核燃料の再処理権限を確保することなどを提案した。
そして「トランプ政権は実利を重視するため、我々が精密な論理と戦略を持てば交渉の余地は十分にある」と付け加えた。
アン議員の提案に対し、韓国のオンライン上では肯定的な反応が多く見られた。「さすがアン・チョルス。国民統合、時代交代はアン・チョルスで行こう。保守勝利の唯一の代案だ」「安全保障もアン・チョルスが責任を持つ」「韓国の政治、経済、医療に加え、安全保障までもが危機に瀕している。未来世代のことを考えるアン・チョルスがいて本当に良かったと思う」といった反応が寄せられた。
アン議員は前日の3月5日にも、「(最大野党「共に民主党」の)李在明(イ・ジェミョン)代表はエヌビディアやAIをたい焼きを作る機械とでも思っているのか」とし、「愚か者が愚かな想像をした」と非難した。
これは、李代表がエヌビディアのような企業が韓国国内で誕生した場合、その持分の30%を国民全員に分配すれば、税負担のない社会が実現するのではないかと主張したことに対する批判だった。
なお、デジタルタイムズが韓国社会世論研究所(KSOI)に依頼し、2月28日から3月1日に全国の満18歳以上の男女1001人を対象に実施した世論調査では、次期大統領に関する質問でアン議員の支持率は1.6%だった。
トップは「共に民主党」の李在明代表で、42.0%だった。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
■大統領選への出馬の意思は?大統領弾劾に賛成した与党の“異才”、アン・チョルス議員の胸中
前へ
次へ