膝上30cmのミニスカートとキュートなルックスで、日本でも一躍、人気者になった韓国女子ゴルフ界の“セクシークイーン”アン・シネ。
最近はゴルフ会場だけでなく、テレビのバラエティ番組にも登場。7月29日にはTBSのスポーツバラエティ『炎の体育会TV』で、その技を見せつけ、8月8日には日本テレビの『ザ!世界仰天ニュース』にも出演した。
8月13日にはTBSの『珍種目NO.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』にも出演し、スーパー小学生と対決していた。今やゴルフファンだけではなく、一般の人たちも彼女の名と存在を知ることになったことだろう。
ただ、メディア露出が多いということは、それだけスケジュールが忙しいということ。まして韓国と日本を行き来してのツアー生活。日々せわしない彼女にじっくり話を聞く機会も限られてくる。
そこで向かったのが韓国だった。ビジュアルムック『女子ゴルフ 強さと美しさの秘密』(宝島社)の取材で、アン・シネがホステス・プロとして出場した「MYムンヨン・クイーンズパークチャンピオンシップ2017」に出向き、練習ラウンドから本番の試合まで彼女に密着することができた。
「わざわざ日本から来てくれたんですから、取材に協力するはプロとして当たり前じゃないですか」
そう言って、いつものように笑顔で迎えてくれたアン・シネ。猛暑の中で18ホールを終えた疲れをおくびにも出さず、「さっそくインタビューを始めましょう」とクラブハウス内に用意されていた部屋に誘ってくれた。
今回の独占インタビューをアレンジしてくれたのはカン・ミョンホ氏。人気チアリーダーのパク・キリャンなど多くの韓国スポーツ女神たちを撮影してきた名物カメラマンだ。
アン・シネとは旧知の仲で、シーズン中はもちろん、ツアー開幕前にも個別撮影する仲でもあることから、まずはその話題から振ってみた。
「カン・ミョンホんさんと私は、何も関係ない間柄ですよ(笑)。それは冗談としても、カメラマンごとに撮影手法が違うように、カン・ミョンホんさんの写真は独特ですよね。ミョンホさんの写真コラムにはストーリーがある。“今日のシネはこんなことをたくさんした”、“シネはこんなのが好きなんだ”といったようなストーリーテーリングがあって、被写体である自分も“私ってこんな表情していたんた”と気づかされます」
ただ、アン・シネは日本でも様々な表情を見せている。印象的だったのが週刊誌『週刊現代』に掲載されたグラビア集だろう。
現役女子プロゴルファーが週刊誌のグラビアを飾ったことも驚きだったが、ドレス姿など、ゴルフ場で見せる姿とは一味違う美しさを披露して、日本はもちろん、韓国でも話題になった。
「私にとっても、とてもエキサイティングな経験でした。カメラマンさんのおかげで素晴らしい写真に仕上がっていましたよね。ただ、満足度からいうと70%ぐらいかな? それはカメラマンさんやスタッフさんのせいではなく、私の問題。もっと綺麗に撮れたと思うのですが、あのときのヘアスタイルとドレスはちょっとミスマッチだったかなと思えて、ちょっぴり残念です(笑)」
もっとも撮影自体は、楽しく良い経験になったという。以前に韓国でも『MAXIM KOREA』表紙グラビアを飾ったことがあるが、それとはまた違う感覚だったそうだ。
「韓国、日本を問わずグラビア撮影を苦手にしたり、重荷に感じることはないですね。ただ、グラビアなどを飾ったあとに成績が出なかったりすると、“撮影にうつつを抜かして練習していない”、“ゴルフにまったく集中していない”といった批判の声が出たりするので、少し神経は使います。同時に、そういう指摘を浴びないように“もっと頑張らねば!!”という気持ちが一層強くなる部分もありますし(笑)」
注目されればされるほど、嫉妬ややっかみの声がついて回るのが世の常でもある。それはスターの宿命でもあり、アン・シネはその辛さもよく知っている。
ほんの数年前も、優勝から遠ざっていたことを理由に「成績を残せないのはファッションや見た目だけに神経を使っているせい」「ゴルフ以外のことにしか気が回らないのか」と陰口を叩かれたこともあった。
ただ、そんな雑音を実力で一掃してきたのがアン・シネでもある。2015年に韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアーのメジャー大会である「KLPGAチャンピオンシップ」を制したことがその証だろう。
「わずか一日でも一生懸命頑張っていなければ、今日の優勝はなかったでしょう」
優勝会見でそう語った彼女の言葉には、「外見ばかりに神経を使っている選手」という非難に対する反抗があったに違いない。アン・シネはそんな撥ね返りの強さも持った選手なのだ。
そんな彼女も日本ツアーでの試合経験がだいぶ増えた。率直にこれまでの自分を自己採点するのならば、10点満点中何点なのだろうか。
アン・シネは少し間を置き考えたあとで短く言った。
「10点満点だとしたら…7点ですね」
はたして7点の理由と根拠は何のか。韓国でのロングインタビューはそこからが本番だった。(つづく)
(文=慎 武宏)
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