韓国で『スラムダンク』は今でも人気で、『キャプテン翼』は拒絶されたワケ

2016年04月21日 話題
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そんな日本の漫画の中でもスポーツ漫画として今でも根強い人気を誇るのが、『スラムダンク』だ。

日本では1990年代に人気を博し、韓国でも翻訳版が出版されると人気爆発。韓国では1997年に男子プロバスケットボールリーグのKBLがスタートしているが、その背景には『スラムダンク』の影響もあったといわれている。

『スラムダンク』韓国語版

ただキャラクターの名前は変えられており、主人公の桜木花道は「カン・ベクホ」、流川楓は「ソ・テウン」、キャプテンの赤木剛憲は「チェ・チス」、宮城リョータは「ソン・テソプ」、三井寿は「チョン・デマン」といった具合。ヒロインの赤木晴子は「チェ・ソヨン」だ。

当時の韓国は日本文化に対する規制が厳しく、なるべく韓国式に変えるという方針があったという。

韓国版の名付け親である女性編集長(当時)チャン・ジョンスク氏は、「桜木花道の名前をカン・ベクホにしたのは、学生時代、“ベク・ホギ”という友だちがいたからなんです。すごく格好いい名前だなと思っていたので、個人的に好きな苗字である“カン”と組み合わせて“カン・ベクホ”にしました。そうやって名前をつけていったんですが、あまりにも登場人物が多くて、挙句は卒業アルバムを開いてキャラクターに似合いそうな名前を探しました」と語る。

そんな変更に反発したマニアたちの意向を受けて、昨年は日本で発売されたものが忠実に再現された“オリジナル完全版”が発売されたというのだから、その人気は本物だ。韓国語で書かれた表紙も味があって面白く、意外な都市伝説もあるらしい。

この『スラムダンク』と並んで韓国の日本漫画マニアたちの間で長い人気を誇るのが、『H2』だというのも意外だ。

『ダイヤのA』や『おおきく振りかぶって』などの最新漫画がコミックスだけでなくアニメ版も放映されているそうだが、『H2』は今でもファンが多い。

あだち充といえば『H2』の前に『タッチ』だろうという意見も聞こえてきそうだが、どうやらそこには韓国ならではの事情もあるらしい。

韓国で人気のドラマ『応答せよ』シリーズの脚本家やロック・ミュージシャンたちも、『H2』に影響されたドラマや楽曲を作ったと公言しているほどなのだ。

もっとも、日本でヒットしたスポ根漫画がすべて韓国でヒットしているとも限られない。

『キャプテン翼』は拒絶

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