平昌(ピョンチャン)五輪を2年後に控えた今、韓国の氷上スポーツ界がなにかと危うい。
3月22日0時ごろ、約20人のスピードスケート韓国代表候補選手たちがスタッフが眠っている隙に合宿所を脱走。人目につかない橋の下で飲酒行為をした。
彼らは見回り中の警察に発覚され、事情聴取を受けてから解放されたという。その集団飲酒の場には、まだ未成年の高校生選手も参加しており、波紋が広がっている。
さらに、4月7日にはショートトラック選手5人がインターネットの不法スポーツ賭博サイトで200~300万ウォン(約20~30万円)ほどを常習的に賭けていた疑いで立件された。5人のうち3人は韓国代表選手で、1人は高校生。この高校生は、去年も飲酒行為で物議を醸したことがある選手だ。
しかも、不法ギャンブルに手を出していたのは彼ら5人だけではないらしい。
事情聴取では、他の選手やコーチの名前も挙がったそうだ。その中には以前セクハラ事件を起こして代表チームを辞退した元コーチや、現ショートトラック、スピードスケート代表チームのコーチも含まれるとか。
関係者によると「ウワサではギャンブルに関わった人は30人超え、いや、40人を超えるみたいです。結構いますよ。スケート講師たちはほとんどやってます」らしいという。
かねてから韓国のスケート界は問題が絶えなかった。派閥争い、審判の不正、イジメ、先輩選手からの暴行、高校生飲酒、セクハラ・・・。過去に派閥争いや暴行の被害者となり、結局他の国に帰化してしまった選手もいるほどだ。
今回の波紋で韓国氷上連盟は戸惑いを隠せないようだ。
韓国氷上連盟は「残念ながら、今回の事件に関わった選手のうち3人は、来たる9~10月に行われる国家代表3次選抜戦を控えていた選手たちです。警察捜査の結果次第、彼らの出場資格を剥奪、厳しい処分を下す。また、再発防止のために得策を考え、実施していきます」と謝罪文が発表。
いずれにせよ、連盟に対する信頼は落ちるところまで落ち込んだようだ。
韓国では近年、キム・ヨナの活躍でウインタースポーツに対するクリーンなイメージが定着しつつあった。しかし、現実は薄汚い。2年後の平昌五輪が心配になる。
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