この裁判では意外にも「模倣ではない」という判決が下され、日韓共に大きな注目を集めた。
しかし、嫌日の気がある人からは賞賛の声が上がったが、おおよその韓国ネット民の間では「いや、これはパクリでしょ」「みんなが知ってること」など、冷静な声を上げる人も多かった。
実際、テコンVは1972年、マジンガーZの大ヒットから4年後の1976年7月23日、劇場版アニメとして公開されている。当時、日本をよく知る人の中には、「これはマジンガーZでは?」という感想を抱く人もいたと思う。しかし、実際にはソウルだけで約18万人の観客動員数を記録し、最終的に全国28万人が観覧した。当時の韓国映画歴代2位になるほどの大ヒットとなった。
この際、パクリ議論は置いておくとしても、韓国の人たちにとってテコンVは、伝説のアニメとして記憶されているのは間違いない。
そして、昨年に公開45周年を迎えたテコンVに関連して、様々な展開が繰り広げられた。
まず、1月7日からはテコンVを中心に、70~80年代の韓国漫画やアニメを紹介する「テコンVと私たちの漫画物語」展示会がソウルで開催されている。
また、ある空気清浄機メーカーではテコンV型の空気清浄機を発売までしている。170㎝以上の巨体の存在感は圧巻だ。さらに、洗車会社とのコラボや最新フィギアの発売など、コラボ展開も相次いだ。
テコンVを語る上でパクリ論争は避けては通れないが、韓国の人たちに長く愛されてきたのは事実であり、そこだけは否定できない。
(文=サーチコリア編集部)