日本はこの日、前半でスペインに先制を許しリードを奪われた。スペインの“ティキ・タカ”に亀裂を生じさせることができず、1点差のまま前半を折り返した。
しかし、後半開始とともに森保監督のマジックが発動された。三笘薫と堂安律を同時に送り出すと、余裕を持って後方からビルドアップするスペインに強くプレスをかけ始めたのだ。最前線がGKウナイ・シモンまでプレッシャーをかけ、ラインを完全に引き上げた。
そして、シモンのミスから堂安がボールを奪うと、カットインから左足で強烈なシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。これで1-1の同点に追いついた。
勢いに乗った日本はスペインを押し続けた。プレスを通じてスペイン陣内でボールを奪い、三笘がゴールライン上のボールをギリギリで折り返すと、最後はゴール前の田中碧が体で押し込み、逆転に成功した。
交代投入のタイミングも人選も完璧だった。森保監督の用兵術がまたしても的中したのだ。
結局、日本はスペインの波状攻撃を適切にシャットアウトした。逆転後は速く強烈なプレスのテンポを遅らせ、安定的なゲームコントロールを展開し、見事に勝利を勝ち取った。
森保監督はドイツとの初戦でも、同じような用兵術で大逆転劇を成し遂げた。後半20分の時点から堂安、浅野拓磨を投入し、その2人が同点弾と逆転弾を決め、巨艦を撃沈した。
ただ、第2節のコスタリカ戦では初戦から大幅に先発を入れ替え、多少安易なゲームコントロールに乗り出した。結局、コスタリカに0-1とまさかの敗戦を喫すると、森保監督には「名将病にかかった」という批判が飛んだ。
それでも、気を引き締めて臨んだスペイン戦では再び信じがたい結果を生み出し、名将病ではないことを改めて証明した。
何より、森保監督が下したドイツとスペインの両監督は、いずれも欧州ビッグリーグの舞台で3冠を達成した指揮官だ。森保監督は単なるまぐれではなく、確固たる戦略で彼らを破った。
ドイツ、スペインという巨艦を撃沈し、日本は“死の組”を1位で通過した。森保監督は今や、自身が本当の名将であることを見せつけ、ベスト16以上の結果を目指そうとしている。
なお、日本が決勝トーナメント1回戦で戦う相手は前回の2018年ロシア大会準優勝国のクロアチアだ。
(記事提供=OSEN)