ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領による非常戒厳令の宣言と解除をめぐり、韓国社会全般で極度の混乱が生じる中、国会本会議場に投入された武装戒厳軍の一人が市民に頭を下げて謝罪し撤収する姿が話題となっている。
報道記者のホ・ジェヒョン氏は12月4日、Facebookに頭を下げる戒厳軍兵士の写真を投稿し、「(非常戒厳令の宣言に)抗議するため国会前に集まった市民たちに腰を深く折って“申し訳ありません”と謝罪して去った、名前も知らない戒厳軍兵士がいた」と書き込んだ。
さらにホ記者は「一目でわかるほど真っ直ぐな印象のその戒厳軍の青年。メガネ越しに見えた澄んだ瞳に触れたとき、私のすべての怒りが消え去り、計り知れない哀れみと感謝を同時に感じた」とし、「私を追いかけながら一度、二度、三度と繰り返しお辞儀をし“申し訳ありません”と謝ったあの短い瞬間、彼の誠意を感じた。まるで“私たちは民主主義の同じ側にいる”と言っているかのような誠意を(感じた)」と振り返った。
またホ記者は「民主共和国の夜明けを守ってくれたあなたの一言を一生忘れない」とし、「どうか健康に軍務を終え、健やかな青年として社会に戻ってきてほしい」と願いを込めた。
ユン大統領の戒厳令宣言により、12月4日午前0時38分頃から国会本会議場への進入を試みた武装戒厳軍。当時、与野党の議員が戒厳令解除要求案の議決のため続々と国会に集結している最中で、市民の不安はさらに高まっていた。
このため戒厳軍は、軍や警察の車両を体を張って阻止する市民や、本会議場の進入路に椅子などでバリケードを設置した議員補佐官たちと長時間対峙することになった。
その過程で、一部の戒厳軍が窓を破り国会本会議場への進入に成功した。しかし、これらの戒厳軍は国会で戒厳令解除要求案が議決された後の午前1時14分頃、全員が敷地外に撤収した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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