検察の求刑は“懲役2年”、「過剰な表現だった」と認めつつも反論した李在明代表…宣告は3月26日に決定

2025年02月27日 社会 #時事ジャーナル
このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国の次期大統領選に大きな影響を与えうる、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法違反容疑に関する控訴審判決が3月26日に言い渡される。

【注目】「被告人」の李在明が大統領候補でいいのか

検察は選挙過程で故意に虚偽事実を流布した李代表に対し、懲役2年の判決を求めた。

李代表は30分間続いた最終陳述で、白峴洞(ペクヒョンドン)疑惑に関連する「脅迫」発言の問題点を認めつつも、非常識的な検察権の行使による起訴であることを強調した。

「嘘」vs「虚偽と思ったことはない」

ソウル高等裁判所・刑事6-2部(チェ・ウンジョン、イ・イェスル、チョン・ジェオ部長判事)は2月26日、公職選挙法上の虚偽事実公表の容疑を受けている李代表の結審公判を終え、1カ月後の3月26日に宣告公判を行うと発表した。

検察は、李代表が大統領選挙の局面で当選を目的に故意に虚偽事実を流布したとし、第1審の求刑と同じ懲役2年を求めた。

検察は「被告人の身分や政治的状況、被選挙権の剥奪、所属政党によって公職選挙法の適用基準が変わるならば、公職選挙を通じて民主主義を実現しようとする公職選挙法の趣旨が失われる」と述べ、「嘘によって有権者の選択を歪めた者に対しては、地位の高低に関係なく厳重な処罰が必要」と強調した。

さらに「(第20代大統領選挙で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と李代表の得票率差が)0.73%ポイントであったことを考慮すれば、被告の嘘が有権者の選択に重大な影響を与えたことは明白だ」と断言した。

そして「被告は事前に作成した資料を用いて積極的に嘘をつき、国民を代表して監視する国政監査の場を嘘の場に変えた」と指摘した。

李在明代表
(写真=時事ジャーナル)李在明代表

一方、李代表は約30分間の最終陳述で検察による「政治的起訴」である点を強調し、各容疑に対して具体的に反論した。

「国土交通部からの脅迫があった」とする白峴洞開発事業に関連する発言については、「過剰な表現だった」と認めつつも、表現の未熟さによるものだと主張した。

李代表は「検察が過剰だ。私は虚偽だと思って言ったことは一度もない」と述べ、「正常な検察権の行使とは思えない。言ってもいないことを言ったとされるならば、政治家はどうやって発言するのか」と指摘した。

「国土交通部の脅迫」発言について李代表は、「脅迫というのは私が過剰に表現したものだ」と認めた。彼は「実際、腹が立っていた」とし、「最初は圧力だと言ったが、話しているうちにそれを脅迫だと表現してしまい、いずれにせよ問題となる発言をした」と述べた。

そして「職務怠慢、業務怠慢などで城南(ソンナム)市の公務員たちが問題になる可能性があるという話も私の記憶にはある」と述べ、「これを正確に表現できず、証拠もなく発言したのは私の誤りだが、表現上の未熟さによって生じたことを考慮してほしい」と訴えた。

そもそも李代表は、「共に民主党」の大統領候補だった2021年12月の放送インタビューで、故キム・ムンギ元城南都市開発公社開発1処長を知らないという趣旨の発言をし、京畿道城南市の白峴洞韓国食品研究院用地の用途変更に関連して、国土交通部からの圧迫があったと虚偽事実を公表した容疑で起訴されている。

李代表側、「失言まで処罰できない」

2月26日の結審公判で検察は、李代表の「キム元処長を知らない」という趣旨の発言に対し、李代表とキム元処長との交友関係を示して反論した。

検察は「(オーストラリア出張当時)ユ・ドンギュ、キム・ムンギ、被告の3人だけで5時間にわたってゴルフを行ったが、公務出張中に海外でゴルフをした時間がどれほど特別だったかは想像できるだろう」と述べ、「ゴルフをした2日後に(3人で)釣りにも一緒に行った」と指摘した。

白峴洞発言に関しても、「『ミョンナク(李在明vsイ・ナギョン)対決』と呼ばれるほど(共に民主党大統領候補)予備選が激しく進行していた状況で、大庄洞(テジャンドン)に続き白峴洞疑惑まで浮上し、(李代表が)窮地に追い込まれた」とし、「全国に生中継される国政監査を利用するために被告は綿密に準備した」と指摘した。

検察は、李代表の自叙伝の一節「嘘もまた国民と自分に消せない傷を残す。私はそのような政治家を詐欺師と呼ぶ」を引用して批判を強めた。

また、「民主主義は主権者の理性的判断に基づいており、理性的判断は正確な情報があってこそ可能だ。フェイクニュースの作成・流布行為は民主主義の敵であり、清算すべき代表的な積弊だ」と述べ、「この主張は被告自身が20年前にフェイスブックに投稿した内容である」と付け加えた。

李在明代表
(写真=李在明代表Instagram)

李代表の弁護人は、最終弁論で「トーク番組での即興的な発言の中に一部不明確な点があったとしても、それを公表に該当するとは見なせない」と述べ、「虚偽事実の公表は失言や不正確な表現に対する処罰規定ではない」と強調した。

白峴洞発言についても「被告は(国政監査で)朝から晩まで継続的に答弁しており、口頭表現の連続性と即興性が極大化された状況だった」と説明し、「積極的に嘘をついたわけではない場合、それを嘘と解釈してはならないという最高裁の判例もある」と述べた。

さらに「この事件は解釈と推論によって虚偽事実公表対象の外延を最大限に拡張して構成されたものだ」とし、「被告に対する政敵排除のための捜査と起訴の延長線上にあることがわかる」と主張した。

李代表は公判終了後、記者団に対し「求刑が重要なのではなく、実体が重要だ」と述べ、「司法部が賢明かつ公正に、実体的な真実に基づいて正しい判断を下すだろうと思う」とコメントした。

なお、先立って1審の裁判所は「キム元処長とゴルフをしなかった」という趣旨の発言と白峴洞発言を虚偽事実の公表と認定し、議員職喪失に該当する懲役1年、執行猶予2年を言い渡した。この判決が最高裁で確定すると、李代表は今後10年間被選挙権を失い、次回の大統領選挙に出馬することができなくなる。

(記事提供=時事ジャーナル)

「日本が恐れるなら選ばないと」“反日”とされる李在明を心配する日本…韓国で注目

日本を「地獄」と叩いた韓国歌手、日本公演へ…その“二枚舌”を意外な人物が痛烈批判

「大統領に当選すれば裁判は停止される」多くの裁判を抱える李在明の“読み”は真実か

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research