日本では近年、高齢運転者の交通事故が社会問題となっている。
ニュース番組やネットニュースで取り上げられるのも珍しくはなくなり、新たな事故が起こる度に「免許返納」「高齢者の運転は制限すべき」といった声があがる。とはいえ、過疎地などに住む高齢者は代替となる移動手段がないなど、一筋縄では行かないのが現状である。
一方、お隣・韓国でなくならないのが飲酒運転だ。
最近、前途有望だったチョ・ビョンフンさん(22)がこの世を去った。死因は飲酒運転によるひき逃げだった。
チョさんは今年3月17日、アルバイトを終えて自転車に帰宅していたところ、飲酒運転のひき逃げに遭った。事故後、急いで病院に搬送され治療を受けたが、脳死状態となっていた遺族はチョさんの臓器寄贈に同意し、心臓、肺、肝臓、腎臓(左右)を寄贈し、5人の命を救ったという。
京畿道富川市(キョンギド・プチョンシ)で一男一女の長男として生まれ、将来の夢は子どもたちに楽しく運動する方法を教える体育教師だったというチョさん。大学も地元の富川大学・スポーツリハビリ学科に入り、学校の行事にも積極的に参加していた。
また幼い頃からスポーツが好きで、4段の腕前を持つテコンドーでは、地域の大会に出場して何度も優勝していたという。
韓国では一般の人はもちろん、芸能人による飲酒運転が後を絶たない。すべての事故で人の命が奪われているわけではないが、決してあってはならないことだろう。
韓国では飲酒運転をすると、最低でも2~5年の懲役、1000~2000万ウォン(約100~200万円)の罰金、1年間の免許取り消しなどが課される。
ただ、2019年に改訂されてからは、事故を起こして負傷者がいた場合は1~15年の懲役、3000万ウォン(約300万円)の罰金が科され、そして死者が出た場合は3年以上の無期懲役が科せられることとなった。
とはいえ、それでもなくなっていないのが現状。チョさんのような悲しい事件が起こらないためにも、罰をこれまで以上に強化しなくてはならないだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
前へ
次へ