韓国政府が総額30兆5000億ウォン(約3兆2300万円)規模の追加補正予算案を審査するため、7月1日に国会の予算決算特別委員会が開かれた。2日目の総括質疑を迎え、与野党は全面的な攻防を繰り広げている。
この日、最大の争点となったのは、大規模な補正予算が国家財政の健全性に与える影響と、主要補正事業における“恩恵の公平性”だった。
最大野党「共に民主党」のイ・ガンイル議員は、「補正予算によって物価が上がる、国の借金が増えるとの懸念の声があるが、果たして正当な指摘か疑問だ」と述べた上で、「緊縮政策を取った前政権は国の借金を減らせたのか?物価は安定したのか?」と指摘した。
また、「我々が比較対象にする日本の政府債務比率(対GDP比)は260%、アメリカが120%、フランスやイギリスも100%前後だ。韓国の国家債務は、それほど憂慮すべき水準ではない」と主張した。
これに対し、与党「国民の力」のイム・ジョンドク議員は、「家計で例えるなら、家長が働いて稼ぐことを考えず、借金して宴会を開くようなもの。では、その借金の責任は誰が取るのか」と反論した。
続いてイム議員は、補正予算案に盛り込まれた自営業者や社会的弱者向けの「特別債務調整パッケージ」について、「誠実に返済してきた債務者への逆差別であり、ゲームのルールそのものを変えてしまった」と非難。「借金は返さなくてもよい、という認識が一般化している」と警鐘を鳴らした。
さらに、今回の第2次補正案に含まれる特別債務調整パッケージおよび“民生回復消費クーポン”の増額案についても、「大幅に削減すべきだ」と主張した。
同じく「国民の力」のチョン・ジョムシク議員も、「既存の個人再生制度などを利用せず、長期にわたって延滞を続けてきた人々との間で公平性に大きな問題が生じる」と指摘した。
これに対して、「共に民主党」のイ・ジェグァン議員は、「家長というのは、借金をしてでも家族の飢えをしのがなければならない立場ではないか」と反論し、「1日も耐えられない小規模事業者の実情を見て、借金論争などしている余裕があるのか」と批判した。
また、同じく「共に民主党」のホ・ソンム議員は、補正予算案に盛り込まれた「民生回復消費クーポン」事業について、「困窮する庶民の生活を考えれば、この政策こそ最も効果が高く、的確な処方だ」と述べ、「今、我々の国民経済は、救急室に運び込まれた重症患者のようなものだ」と表現した。
(記事提供=時事ジャーナル)
■「日本が恐れるなら選ばないと」“反日”とされる李在明を心配する日本…韓国で注目
前へ
次へ