韓国を代表する食品と言えば、やはりキムチだろう。その影響力は日本でも高く、日本食糧新聞社が発表した漬物の人気ランキング調査で、キムチが5年ぶりに1位となるほど。食卓のお供にもってこいの品だ。
そんなキムチだが、日本で見ることがあるのは、市販品キムチが大半だ。しかし、本場韓国では、キムチは自家製という場合が多い。
特に、11月はキムチを漬けるに最適な季節とされ、韓国の電機メーカーは毎年、最新のキムチ保存用の冷蔵庫販売に力を注ぐほどだった。
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このように、キムチに対して並々ならぬ情熱を注ぐ韓国だが、その動きも徐々に変化している数字が現れている。
なんと、2006年862億ウォン規模に過ぎなかった市販キムチの売上が、2020年には3023億ウォンと、15年の間に3倍以上上昇した。キムチを直接漬けを放棄し、他の人に得るか、または買って食べる人が増えた結果だ。
キムチを直接漬ける人が減った最大の原因は、主要な野菜の価格上昇にある。
農産物の流通情報センターによると、今月21日を基準に白菜1株の小売価格は、平年(4613ウォン)に比べ15.4%の低3900ウォンとなったが、秋寒波の影響で価格は高騰する雰囲気を見せている。また、ニンニクと唐辛子は、1kgを基準に、それぞれ前年比28.6%の高い1万2163ウォン、15.78%の高い3万4050ウォンを記録している。
また、キムチを漬ける行為は思っているよりも重労働である。実際、主婦2845人を対象にアンケート調査を行った結果、重労働(31.2%)と野菜高騰(28.1%)でキムチを漬けないという消費者が半分ほどを占める結果となった。
日本でも自宅でぬか漬けをする人はめっきり見なくなったが、それと同様に韓国でも自家製キムチ文化が廃れていく可能性もある。他国に誇れる文化だけに、大事にしてもらいたいところだが……。
文=サーチコリア編集部
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