コロナの影響で外食業が軒並み売上額ダウンの韓国…それでも“チキン店”だけが売上増のワケ

2022年04月04日 経済
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新型コロナの影響で、韓国における外食フランチャイズが軒並み売上額を減少させた。そんなかで唯一、チキン店だけが売り上げを伸ばした。

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韓国の公正取引委員会は最近、フランチャイズ本部が登録した情報公開書を土台に「2021年度加盟事業現況」を発表した。フランチャイズ店の平均売上額は、2020年末を基準にしている。

それによると、フランチャイズ店全体の平均売上額は前年比5.5%減少。特に新型コロナの感染拡大で外食業はダメージを受け、主要外食業種のフランチャイズ店の平均売上額は2億8000万ウォン(約2800万円)で、前年比9.0%も減少した。

悲惨なのは、韓国料理とコーヒーのフランチャイズ店だ。韓国料理は前年比18.1%減、コーヒーは前年比15.1%減となってしまった。

特にコーヒーフランチャイズ店は前年に比べて10.3%も店舗数が増加しているという点で、影響が大きい。新型コロナの状況でもコーヒー店を開く人が増加しながら、平均売上額は沈んだ格好だ。

そんな状況でも、チキンフランチャイズ店だけは平均売上額が8.0%も伸びている。

韓国風チキン(写真=写真ac)

公正取引委員会の関係者は、「チキンの場合、配達が大部分を占める点が平均売上額の増加理由と見られる」と明かした。

事実、韓国のチキン店の発展は著しい。

韓国農村経済研究院の「2021年基準、外食業経営実態需要調査結果」によると、韓国の外食業者の29.5%が配達アプリを利用していると答えたのだが、なかでもチキン店の配達アプリ利用率は85.7%で断トツだった。ピザやハンバーガーなどの飲食店業が79.0%で後に続いているが、非常に高い数字だ。

逆に上述した韓国料理店は、配達アプリの利用率が22.5%にとどまっており、コロナ禍での苦戦の理由が伝わってくる。

韓国にチキン店は8万7000店(2019年2月基準)もあるという。これは日本中のセブンイレブンの店舗数(2万1301店:2022年3月)の4倍、世界中のマクドナルドの店舗(約4万店舗:2021年11月)の2倍も多い数だ。

韓国では「起承転“鶏”」などという言葉が生じ、どんな仕事をしていようが最終的にはチキン店を開業するしかないという意味が込められているが、それでもチキン店はコロナに負けずに奮闘していると見ることができるだろう。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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