「連続弾劾」が「連続棄却」されて議論が続くなか、最大野党「共に民主党」がチェ・サンモク大統領権限代行(副総理兼企画財政部長官)の弾劾訴追を検討していることが伝えられた。
「共に民主党」のパク・ソンジュ院内首席副代表は3月17日、YTNラジオ番組『ニュースファイティング、キム・ヨンスです』のインタビューで、「チェ・サンモク代行の弾劾カードは依然として生きている」と発言した。
パク首席副代表は、チェ代行がマ・ウンヒョク憲法裁判官候補の任命を拒否し、「ミョン・テギュン特検法」の拒否権を行使したことを指摘し、「チェ代行は憲政秩序を破壊する『内乱代行』へと進んでいる」と批判。「私は(チェ代行の弾劾理由が)十分すぎるほどあると考えている」と述べた。
しかし「共に民主党」内でも意見の相違は少なくないようだ。パク首席副代表は「現在の状況では様々な要素を考慮しなければならず、党内で異なる意見が出ているのはたしかだ」と語った。
同日の「共に民主党」最高委員会会議でも、チェ代行への批判が相次いだ。
パク・チャンデ院内代表は、アメリカが韓国を「センシティブ国」に指定した事実が遅れて確認されたことについて、「チェ・サンモク副首相をはじめとする政府の安易な対応も批判せざるを得ない」と述べ、「チェ副首相が『大統領ごっこ』に夢中になっている間、政府は2カ月間も韓国がセンシティブ国に指定された事実すら把握できなかった」と厳しく非難した。
さらに、「チェ副首相は内乱捜査特検とミョン・テギュン特検に対して拒否権を行使し、内乱の早期終結を妨害し続けてきた。その責任は極めて重い」と強調。「今からでも正気に戻り、正式な発効前に是正するためのあらゆる努力を尽くすべきだ」と求めた。
一方、3月13日に憲法裁判所が「共に民主党」主導で弾劾訴追されたチェ・ジェヘ監査院長、イ・チャンスソウル中央地検長ら3人の検察官に対する弾劾を棄却したことで、「共に民主党」の「連続弾劾」に対する逆風の兆しが見え始めているとの見方もある。
これまで憲法裁判所が下した8件すべての弾劾審判が棄却されており、「共に民主党」の弾劾戦略に対する批判が高まっている。
与党「国民の力」のクォン・ヨンセ非常対策委員長は同日、非常対策委員会会議で「弾劾の乱発を防ぐための制度的補完策を作るべきだ」と述べ、「弾劾訴追が行われた際に即時職務停止となる制度の再検討が必要であり、重大な欠陥によって弾劾が棄却または却下された場合、弾劾を主導した国会議員や政党に対して民事・刑事責任を問うことも積極的に検討すべきだ」と主張した。
さらに、「共に民主党の弾劾の成績は、今のところ8連敗、8戦全敗だが、『国政麻痺』という混乱を引き起こしたことについて、国民に謝罪するどころか、政府・与党への攻撃にばかり熱を上げている」と批判。「野党の高位関係者らがチェ・サンモク大統領権限代行に直接連絡し、弾劾訴追を警告したという話まで出ている」と述べ、「共に民主党」の動きを強くけん制した。
(記事提供=時事ジャーナル)
■「弾劾は棄却される。尹大統領は復帰後、改憲して途中退任する」と大統領室高官
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