前回の大統領選はわずか0.73ポイント差で敗れた李在明氏、当時とまったく異なる“3つの好ポイント”…課題は?

2025年04月28日 政治 #時事ジャーナル
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「3年前の敗北も痛かったが、その後のほうがさらに痛かった。骨身に染みる敗北の責任者である私、李在明(イ・ジェミョン)を、皆さんが再び立ち上がらせてくれた。敗北を乗り越え、必ず勝利しよう!」

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「共に民主党」の李在明大統領選候補は4月27日に党内予備選で、「90%」に迫る累積得票率を記録し、本選進出を確定させた際、このように叫んだ。

わずか3年前、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に0.73ポイント差で敗れた第20代大統領選と比べると、現在の李在明候補には「3つ」の状況が変わったという評価が出ている。

党内では、①「ミョンナク大戦(李在明対イ・ナギョン)」のような内輪揉めを最小化し、②党外では前保守政権の「弾劾」により「政権交代」世論が一層高まった状況だ。

加えて、李在明候補自身も③国会議員と党代表を経験し、力量を高めたことで「準備された大統領」に一歩近づいた様子を見せている。

李在明候補
(写真=時事ジャーナル)李在明候補

①内輪揉めの代わりに「平和的」な予備選

まず「共に民主党」は、今回の予備選で党内の出血を最小限に抑えることに成功した。

予備選期間中に行われた3回の討論会では、キム・ドンヨン、キム・ギョンス両候補が「公正選挙実践誓約式」で「ネガティブなし、品位ある競争」を約束し、「基礎所得」など政策競争のみに専念した。

党側も、4月27日に京畿道・高陽(コヤン)市で開かれた予備選最終イベントにおいて、党員と支持者に特定候補へのシュプレヒコールを控えさせ、比較的静かな雰囲気の中で最終候補を発表した。

これは3年前の第20代大統領選で、大きな後遺症を残した「ミョンナク大戦」が再現されないよう配慮したものと解釈される。

第20代大統領選予備選では、イ・ナギョン前代表側が李在明候補に対して、大庄洞(テジャンドン)開発疑惑を強く提起し、李在明候補側も真っ向から反論するなど、双方が激しい神経戦を繰り広げた。

この過程で生じた両陣営間の深い溝が、最終的に「共に民主党」の大統領選敗北に大きな影響を与えたとの分析が多い。今回はそのような過ちを繰り返さなかったことになる。

また陣営全体で見ても、院内第3党である「祖国革新党」が大統領候補を擁立しなかったため、李在明候補に有利に状況が流れている。「祖国革新党」は、チョ・グク前代表の不在により明確な候補を欠いた状態で、早々に「共に民主党」への支援に回り、李在明候補の負担を軽減した。

一方、3年前の大統領選では、「正義党」のシム・サンジョン候補が李在明候補との一本化を拒否し、最後まで完走した。シム候補が記録した2%台の得票率は、李在明候補にとって負担となった経緯がある。

②前政権の負債は与党「国民の力」のものに

党外的には、李在明候補が「攻守交代」により、前保守政権を強く糾弾する立場に立った。

3年前の李在明候補は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が残した「不動産政策失敗」と「脱原発政策」の逆風という負債を克服するのに苦労した。

しかし今回は、ライバルの尹錫悦前大統領が自ら戒厳令宣言を通じて「弾劾」を招き、政権与党である「国民の力」にその責任が集中した。逆に李在明候補は、国民の「政権交代」への期待を集め、有利な立場に立ったと評価される。

もちろん李在明候補も、小さな変数すら生まないために、文在寅政権とは一定の距離を取る姿勢を見せている。

具体的には、李在明候補は「中道保守」を掲げ、総合不動産税を含む各種税制緩和策や積極的な不動産供給政策を約束した。エネルギー政策では、原発と再生可能エネルギーを組み合わせる「エネルギーミックス」方針を提示し、文在寅政権の「脱原発」や尹錫悦政権の「親原発」に偏らない、「原発中立」路線を打ち出している。

③既存の「行政力」に立法・党権の「政治力」も加わる

このような「柔軟な姿勢」は、李在明候補自身の能力向上を示すものだという評価も政治圏から出ている。

李在明候補は、城南(ソンナム)市長と京畿道知事時代に残した実績をもとに大統領候補として立った。

李在明候補
(写真=時事ジャーナル)李在明候補

具体的には、京畿道の若者に四半期ごとに地域通貨を支給する「青年配当」政策、龍仁(ヨンイン)市にSKハイニックス半導体クラスターを誘致した実績、そしてコロナ禍で宗教団体に対する防疫目的の強制調査を実施するなど、自らの「行政実行力」を証明した。

3年前まで李在明候補は、「国会」経験も「党権」掌握経験もなかった。そのため2022年大統領選で敗北後、すぐに仁川・桂陽(ケヤン)を補欠選挙に挑戦し、初めて国会議員となった。

同年8月には「共に民主党」の党大会で党代表に選出され、党権掌握にも成功した。その後、選挙戦を指揮し、翌年10月の江西区庁長補選を皮切りに、2024年総選挙でも圧勝を収め、最終的に高い支持率をもって党代表の再任にも成功した。

この過程で、立法能力のみならず政治力まで身につけ、李在明候補は「次期国政運営」への自信を深めた状態だ。

取材によると、李在明候補は最近、側近らとの会合で「3年前に当選していたら、経験不足で数多くの危機に直面していたかもしれない」と語り、当時の敗北を「災い転じて福となす」と受け止めているという。

仮に今回の大統領選選で勝利すれば、基礎・広域自治体長、国会議員、党代表をすべて歴任した初の大統領となる。

「司法リスク」と「不人気度」は依然として課題

課題も残る。李在明候補の「司法リスク」はこの期間も続いてきた。

2023年には本人に対する国会逮捕同意案が可決されるなど、政治生命が脅かされる局面が何度もあった。特に2024年11月には、公職選挙法違反事件の1審で有罪判決を受けたが、今年3月の2審では無罪となり、「天国と地獄」を行き来した。

この他にも、偽証教唆疑惑(1審無罪)をはじめ、大小の案件が残っており、司法リスクは完全には解消されていない。

自然と、李在明候補に対する国民的な「不人気度」が高まったのも事実だ。

4月25日に韓国ギャラップが発表した大統領候補別「大統領適格性認識」調査で、李在明候補は支持46%、反対49%を得た。もちろん他の候補に比べて支持率は圧倒的1位だ。

しかし「共に民主党」内では、相手陣営が準備中の「反・李在明ビッグテントビッグテント」の変数に揺さぶられないためにも、李在明候補は不人気度を下げ、過半数以上の支持を得なければならないとの主張が出ている。

なお、この記事に引用された韓国ギャラップの世論調査は、4月22日から24日にかけて全国の有権者1005人を対象に、無作為抽出した無線電話仮想番号による電話調査員インタビュー(CATI)方式で実施された。

(記事提供=時事ジャーナル)

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