1億3400万円。この額は韓国eスポーツ界のトッププレイヤー・Fakerことイ・サンヒョク選手が、2013年から2020年にかけて各種大会で獲得してきた賞金の総額だ。
賞金以外のスポンサー料なども含めると、Fakerの年俸はおよそ3億円とされている。
日本でもeスポーツの部活が設立されるなど、学生年代を中心にeスポーツに関する整備が本格化してきているが、韓国におけるeスポーツは日本よりもお金を稼げるという意識がはるかに強い。
とはいえ大会の賞金が何百万、何千万円といわれてもいまいちピンと来ない人も多いのではないだろうか。
そんなわけで今回は韓国内で行われているeスポーツ主要大会の賞金を、日本の様々な各種大会の賞金と比較してみようと思う。
まず、前述したFaker選手の主戦場である『League of Legends』(LoL)の韓国リーグ『League of Legends Champions Korea』(LCK)から見てみよう。
この大会の賞金総額は3億ウォンで、日本円にして約3000万円だ。この額はつい先日、2021年2月20に行われたJリーグの『FUJI XEROX SUPER CUP 2021』で、川崎フロンターレがガンバ大阪との接戦(3-2)を制して手に入れた優勝賞金とほぼ同額だ。
また、2021年のJリーガー平均年俸がおよそ3200万円といわれており、それとほぼ同額がeスポーツのリーグ賞金総額となっている。
続いては、最大100人のプレイヤーがバトルロイヤル形式で競う『PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS』(PUBG)の大会、『PUBG Korea League』(PKL)だ。
PUBGも世界中で人気のゲームで、韓国のみならずアメリカ、ヨーロッパ、中国など全世界で幅広く楽しまれている。
特に、韓国は世界トップクラスのレベルを誇るPUBG大国だ。
2019年のPKL大会賞金は、2億ウォンで、約2000万円となっている。
この額は、現在Amazon Prime Videoで配信中の人気お笑い番組『ドキュメンタル』シーズン9の優勝賞金とほぼ同じだ。
俳優の水嶋ヒロが自身の著書『KAGEROU』で、2010年に受賞した『第5回ポプラ社小説大賞』の賞金ともほぼ同額。ちなみに水嶋ヒロはこの2000万円を辞退している。
このように、韓国内の大会でも大きな額が動いており、世界規模の大会となると優勝者にはさらに莫大な金額が支払われているのがeスポーツの現状だ。
世界最大級のeスポーツ大会『The International 2019 Dota2 Championships』の賞金は、日本円で約37億円とされており、この額は2014年に行われたFIFAワールドカップブラジル大会の優勝賞金(約35億円)とほぼ同額となっている。
日本ではゲームは遊びで子供がやるものという意識が根強いかもしれないが、世界で活躍する“ドル箱”プレイヤーの名をテレビのワイドショーなどで頻繁に聞くこととなるのもそう遠くないのかもしれない。
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