最初に取り上げるのは、『ワピース』という作品だ。伝説の宝物を探すために海賊王チャンピが仲間とともに冒険するという内容なのだが、あらすじを見るまでもなく、タイトルだけでどの作品をパクったかがわかるだろう。
登場キャラクターも、海賊王チャンピをはじめ、射撃手のアユミ、剣士のジョルリョなどと“本家”に酷似している部分が多い。
テレビ放送されたわけではなく、ネットで視聴できるフラッシュアニメなのだが、制作会社は韓国で2003年に開催されたキャラクターフェアに本作を出品したという。韓国で非難の声が高まった当時、とあるネットメディアが制作会社の担当者に電話インタビューを行っている。そのやりとりを見てみよう。
Q:ワンピースのパクリという声についてどう思うか。
A:(タイトルの)語感が似ているからでしょう。あちらは「かけら」という意味でワンピースじゃないですか。私たちは「平和」のピースです。人々はパクリなどというが、むこうは腕がグングン伸びますよね?私たちのほうは筋肉質です。麦わら帽子もかぶっていない。
Q:制作期間はどのくらいだったのか。
A:3年もかかったのに、こんなに罵倒されるのは悔しいです。
Q:「シャンクス」をオマージュしたのが「シャンション」ではないのか。
A:発音が似ていてそう思われているようです。ワンピースが好きな方の目にはそのように見えるのかもしれません。でもそうではないと、思ってみてください。あちらは腕が一本だけ飛ばされたではないですか。私たちは2本とも切られたんです。これのどこが盗作なのでしょうか。
Q:インターネットを中心にワンピースの盗作という声が高まっているが。
A:絵を少しでも知っている方が見れば、明らかに別の作品だと言うでしょう。絵を少しでも知っていれば、パクリなどという声は出ない。もし法的な訴訟になっても自信があります。
インタビューの回答は強気だが、『少年ジャンプ』の韓国版権を持つ大元CIが訴えると、『ワピース』の制作会社は敗訴した。もともとスタッフが3人の零細会社だったようで、現在は廃業しているという。