東京五輪で奇跡を起こせ!!韓国が見た“なでしこジャパン”「日本はリスペクトとお手本の対象」

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男子サッカーでは「日本には絶対負けられない」という伝統の対抗心を燃やす韓国だが、女子サッカーに関しては日本をリスペクトしている。

それは韓国のメデイア報道を見てもわかる。2015年にカナダで行われた女子ワールドカップで「勝つ術を知っているなでしこジャパン」と題した記事も掲載したサッカー専門誌『ベストイレブン』は、こんな評価もしている。

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「オーストラリアを踏み台にして準決勝に進んだ日本は、フランス、ドイツ、アメリカのような大量得点による勝利こそないが、これまで挙げた7得点すべてが異なる選手から生まれており、それはすなわち多様な得点ルートを通じて勝利を作り出していて印象的だ。また、派手さは欠くものの、相手の攻撃に揺さぶられることのない驚くべき守備の集中力を発揮しており、目を引かせる」

日本の女子サッカー環境を羨む声も

韓国も“なでしこジャパン”の粘り強さに感嘆していたわけだが、韓国メディアが“なでしこジャパン”を取り上げるのはワールドカップの試合結果だけではない。

サッカー韓国女子代表の今後について論じられる際に、日本女子サッカーが“お手本”として取り上げられているのだ。

「アジア人として不利にならざるを得ない体格条件やフィジカル能力を、技術などで乗り越える日本女子サッカーの活躍は、韓国女子サッカーにも良いお手本になる」(総合スポーツサイト『エックスポーツニュース』)

そもそも韓国女子サッカーは女子ワールドカップに3度出場している。

初出場時は3戦全敗だったが、2015年カナダ大会ではグループリーグでスペイン相手にワールドカップ初勝利を飾り、初の決勝トーナメント進出も成し遂げた。決勝トーナメントではフランスに0‐3で完敗したが、その健闘ぶりは大きく称えられ、帰国式典まで行われたほどだ。

2019年フランス大会では、フランス。ノルウェー、ナイジェリアを相手にして3戦全敗。

さらなる飛躍のために環境改善が急務だともされ、その模範例として挙げられることが多いのが、日本の女子サッカー環境や“なでしこジャパン”の強化方法だった。

「2014年の12月基準でKFA(大韓サッカー協会)に登録されている女子サッカーのチーム数は小・中・高・大学、実業団合わせて76にしかならない。登録選手数は1765人だ。対して隣国の日本は最も良い教科書だ。チーム数は1409、登録選手数は3万243人という底辺をベースに発展してきた。最近ではドイツ・ワールドカップでチャンピオンにまで登り詰め、カナダ大会でも2連覇に向かって順航している(結果的に準優勝)。いつでも第2、第3の澤穂稀が生まれてくるというのが、日本女子サッカーの環境なのだ」(通信社『聯合ニュース』)

2016年の日韓戦(写真提供=KFA)

“なでこしジャパン”の強化方法も参考にしている

スポーツ新聞『イルガン・スポーツ』はより具体的に“なでしこジャパン”の強化方法を意識せよと論じたこともある。

「女子サッカー発展のためにAマッチの回数を増やすことも方法のひとつだ。韓国は今年、中国での国際大会で3試合、キプロスカップでの4試合を含め、ワールドカッブまで10回の強化試合を行った。そのうち、ロシアを招いて行った2度の試合は1998年の日本戦以来、17年ぶりに行われたワンマッチ形式のAマッチだった。対して日本の場合、2014年は韓国と同じくアジアカップ・アジア大会という日程を消化しつつ、それとは別に8回のAマッチを行っている。“キリンチャレンジカップ”などスポンサーを最大限活用したワンマッチ形式のAマッチを通じて、自国の女子サッカーに対する関心と興味を引き上げようと努力している」(スポーツ紙『イルガン・スポーツ』)

2010年にU‐20女子ワールドカップで3位、U-17女子ワールドカップでは優勝を成し遂げ、その中心メンバーだったチ・ソヨンら“黄金世代”の台頭によって、着実に力をつけている韓国女子サッカー。

“なでしこジャパン”や日本女子サッカーに刺激と影響を受けて、さらなる飛躍が期待されているが、その韓国女子サッカーの発奮を促すためにも“なでしこジャパン”は常に強いチームであってほしい。

(文=慎 武宏)

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