失格者が続出したり、疑惑の判定が相次ぐなど、世界的なスポーツイベントとして考えたとき、様々な議論を巻き起こした北京五輪。特に韓国では、北京五輪が閉幕した現在も怒りが収まらない様子だ。
【画像】中国の「疑惑の判定」に怒りすぎた?韓国メディアの“珍記事”
特にショートトラック男子1000mの準決勝で韓国のエースであるファン・デホンがビデオ判定の末に失格処分になったことは、大きな火種となり、オンライン上で中国と韓国の激しい対立を生んだりもした。
韓国メディアも例外ではない。『ソウル新聞』のオンライン記事はタイトルが「ただ中国がメダル持っていこうと、ただ中国がメダル持っていこう」で、本文は「ただ開催国中国がメダルをすべて持っていこうと」という文が繰り返される記事を投稿するという珍事も起きた。
この記事は韓国ネット民の間では概ね好意的に捉えられたのだが、騒動には続きがあった。
2月15日、『ソウル新聞』は珍事の説明を行った。同社によると、この記事を見た『ソウル新聞』編集局は、イム記者に記事修正を要求したのだが、記事を書いたイム記者はこれを拒否したという。
『ソウル新聞』デジタルメディアセンターの関係者は、「記事の要件をきちんと揃えず、感情発散型の個人ブログのような記事を上げたのは『ソウル新聞』の対外イメージと合わないと判断し、編集局長とオンライン担当部長が該当記事に対して修正を要請したが、記者が修正を拒否したために記事削除という強い措置を取ることになった」と明らかにした。
その後、『ソウル新聞』編集局は「オンライン記事は自身の所属部署に関連する記事を出庫することを原則とする」などの「オンライン記事出庫原則」を公知した。それに合せて、今回の騒動と関連してイム記者に対して制裁などを加えないことを表明した。
しかし、それから2日後の2月17日、渦中のイム記者が社内掲示板に「社員の皆さんに謝罪します。遅れましたが懲戒処分してほしい」という文章を載せたのだ。
イム記者は「去る7日夜、会社の制作システムを毀損する誤りを犯したが、それがどれほど間違っていたのか気付かなかった」と明らかにし、「お世話になった方々の感謝を忘却し、続いて所管外の記事を作成してオンラインに掲載した。会社のイメージにも深刻な損傷を与え、何よりも間違ったことをきちんと裁量することができず、会社のイメージも悪くなったようだ」と明らかにした。
ちなみにイム記者がその後、どのような処罰を与えられたのか、現時点では明らかになっていない。
こうしたイム記者の深い懺悔に対して、韓国のオンライン上では「なぜ懲戒する必要がある。むしろ昇進させるべきだ」「放送を見て怒っていた国民たちの意見を代弁してくれた。むしろ、感謝すらしている」「他の記者をクビにして昇進させないと、ただ叫ぶだけの記者の100倍は優れている」と、擁護の声が相次いでいる。
ジャーナリズムの観点で見たとき、イム記者の行動はたしかに問題だが、国民の心を掴んだことだけは間違いないようだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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