代表的な例がRed Velvetのアイリーンだ。
スタイリスト兼編集者のA氏は2020年10月、自身のSNSを通じてパワハラを暴露した。
A氏は「ひとりの人間がどんな環境でどう成長すればああいう状況になるのか、と深く考えた。今日、私がひとりの人間に徹底的に踏みにじられる経験をした」と暴露文を投稿。加害者を名指ししたわけではなかったが、Red VelvetやIRENE & SEULGIの楽曲名である「#psycho」「#monster」というハッシュタグが付けられていたことから、ネット上ではアイリーンが加害者ではないかという推測が飛び交った。
その後、アイリーンは自身のSNSを通じて「私の愚かな態度と軽率な言動でスタイリストの方を傷つけたこと、誠に申し訳ありません。私がこの場に来るまで、一緒に努力してくださった多くの方々のサポートがあったにもかかわらず、未熟な行動で大きな傷を負わせたことを後悔し、反省しています。今後はこのようなことがないよう、より慎重に考え、行動します」と謝罪した。
この騒動によって、アイリーンはイベントやファンミーティングへの参加を中止、主演映画『ダブルパティ』(原題)の公開も翌年に延期することが決定した。その後、10カ月の自粛期間をもうけて復帰したが、アイリーンのイメージダウンは否めず、現在も状況は好転していないようだ。
社会現象を巻き起こすほどの人気を博した初代アイドルグループH.O.T(エイチオーティー)のチャン・ウヒョクにもパワハラ疑惑が浮上したことがある。
今年7月、自身の運営する芸能事務所の練習生だったA氏が、かつてチャン・ウヒョクから暴言を浴びていたとして「謝罪を要求する」という旨の投稿をしたことが発端。「自分も同じような経験がある」と主張する元職員のB氏、C氏も現れ、ネット上でヒートアップする事態になったのだ。
チャン・ウヒョクはパワハラを認め、A氏に対して直接謝罪した。ただ、A氏の書き込みに同調したB氏、C氏の主張に対しては「事実無根」という立場を明らかにしており、刑事告訴をしている。
このほか、パワハラとはいかないまでも、若い世代のアイドルのスタッフに対する不誠実な態度が度々問題視されている。
今年4月には、ボーイズグループTHE BOYZ(ザボーイズ)のヨンフンが生配信中に「オレンジジュースが飲みたくなった。僕がこう言えば、すぐに飲めそうだ」と発言すると、スタッフがジュースを運んできた様子が映し出された。
その後もヨンフンは「言えば、全て叶うのかな。どこまで叶うのか、見てみようか」と笑い、「昨日食べたケーキが美味しかったから、また食べたいな」と再度注文。これを見ていた視聴者からは「スタッフに対するパワハラではないのか?」「態度が悪すぎて不愉快」とヨンフンの発言に批判が高まった。
また、fromis_9(プロミスナイン)のジソンは韓国プロ野球の始球式に参加した際、マネージャーを「フィンガースナップ」(指を鳴らし使用人などを呼ぶ時にする動作。西欧圏では侮辱的で無礼な行動とされる)で呼び、批判が殺到した。
SNSの普及によって、良い面も悪い面もスポットライトが当たりやすくなった昨今。アイドルには一挙手一投足に気を配ってもらいたいものだ。
(文=サーチコリアニュース編集部A)