韓国で「スシ」「ワサビ」という言葉を使わないように…? “日本式単語”の撤廃騒動

2016年02月24日 ライフ
このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国において毎年10月9日は、「ハングルの日」で休日となっている。朝鮮王朝第4代国王・世宗が1446年のその日、ハングルを公布したことがその由来だ。

2015年の10月9日に韓国海洋水産部が非常に興味深い“意向”を明かした。それは、魚市場や刺身店など水産物を扱う現場から、日本語をそのまま使った“日本式単語”を撤廃するというものだ。

若干、補足しよう。そもそも韓国には「トンカツ」のように、日本語をそのまま使った単語が少なくない。特に水産物に関連する単語は、日本式単語が数多く存在する。

「スシ」はもちろん、「ワサビ」「マグロ」「イカ」「アナゴ」「アジ」なども、そのまま日本語を直読みして使われるケースが多いのだ。

刺身は「センソンフェ」、寿司は「チョパプ」、ワサビは「コチュネンイ」とハングル単語もあるのだが、魚市場などでは日本式単語のほうが定着しているという。

日本の影響を受けた証

水産物関連の単語に日本語が多いのは、韓国の水産業が日本の影響を受けたからにほかならない。

1953年に韓国が制定した「水産業法」も、日本の「漁業法(1949年)」を模倣して作られているという。

例えば、日本の漁業法の第1章・第1条(目的)は「この法律は、漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し、もって漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする」となっている。

一方、韓国の水産業法の第1章・第1条も「この法律は、水産業に関する基本制度を定め、水産資源と水面を総合的に利用し、水産業の生産性を高め、水産業の発展と漁業の民主化を図ることを目的とする」と、内容どころか文面さえも酷似している。

韓国海洋水産部は、日本式単語の中からハングルに変えるべき単語を選定し、ハングル単語が定着するように、職員や傘下機関を対象に教育していく方針と話していた。つまるところ、日本語撤廃に異常な執念を見せたわけだ。

ただ、韓国国民の支持はまったく得られなかったといえる。

韓国ネット民たちは、「ワサビをコチュネンイと言ったら、わからない人のほうが多いだろ」「日本人もキムチはキムチと呼ぶ。何がいけないの?」「日本の料理である寿司をチョパプと呼ぶほうがおかしい」「寿司はほかの国でもSUSHIと呼ぶことを知らないのか」「日本語はすべて悪なのか」と、国家行政機関の迷走ぶりにあきれ果てているようだった。

日本式単語を過剰に撤廃しようとする動きは、世界の常識からも、国民の感覚からも大きく外れていたようだ。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research