韓国の若者を襲う未曾有の就職難、新造語「無銭無業」に込められた悲しい現状

2021年09月14日 社会
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新型コロナの流行は、就職にも大きな影響を与えている。去る5月、厚生労働省と文部科学省は2021年3月卒業の大学生の就職率が96%で、前年に加えて2%ポイントも下落したことを明かした。

これは1997年の調査開始以来、リーマン・ショック後の20年卒(3.9%ポイント低下)に次ぐ過去2番目の下落幅だ。また、コロナの影響が直撃している観光・航空業界などの企業が新卒採用を抑制し、希望する職種に就けない学生が増えた。

コロナ禍による就職難は日本だけではない。お隣・韓国はより厳しい状況に追い込まれており、その状況を表現した「無銭無業」という新造語まで生まれた。

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「無銭無業」とは「お金がなければ就職もできない」という意味。就職するには成績が優秀なのは当然として、何かしらの資格を取得していなければならず、その過程で多額の費用がかかる状況を指している。

この新造語に韓国の若者の多くが共感を持っている。就職プラットフォーム「ジョブコリア」と「アルバモン」が、就活生820人を対象に8月18日から20日までモバイルを通じて行った調査によると、93.7%が「無銭無業に共感する」と答えた。実に就活生10人中9人が「無銭無業」に共感しているという結果だ。

(写真提供=SPORTS KOREA)ソウル・明洞

「無銭無業」に共感する理由としては、「資格証の勉強などオンライン・塾の受講料にかかる費用が大きい」が70.1%で最も多く、「TOEIC試験など資格試験の受験料が負担になる」(53.9%)が続いた。そのほかにも「ライバルに比べて自分のスペックが足りなさそうだから」(37.1%)、「コロナ以後、雇用競争がさらに激しくなった」(37%)などがあった。

就職準備費用を調査した結果、月平均約44万ウォン(約4万4000円)が必要とされ、2人に1人は「バイト費用を自分で用意する」と答えた。

多くの就職準備生が就職のための費用をアルバイトでまかなっているが、コロナの影響でアルバイトを探すのも容易ではない。アルバイトをしても、それだけ時間とエネルギーをアルバイトにつぎ込むため、就職活動に集中できず、就職準備期間だけが延びる悪循環が続いている。

重度の就職氷河期に直面している韓国。「無銭無業」という悲しい言葉が消える日は来るだろうか。

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