日本でフリマアプリといえば「メルカリ」が最も有名だが、お隣・韓国では「タングン(にんじん)マーケット」というアプリが人気だ。
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この「タングンマーケット」は単純に中古取引ができる“韓国版メルカリ”というわけではなく、「中古取引」と「町内掲示板」のアプリ。メルカリとジモティーを合わせたものといえるかもしれない。
ご近所間での取引に特化している地元密着型アプリで、利用者は自分の居住地を登録し、そこから6km以内の“ご近所さん”と中古取引ができる。取引相手も近所なので、待ち合わせして直接会ってから品物を譲渡したりもする。宅配便を介さないので、とにかく早くて便利というわけだ。
ご近所でのやり取りなので、とっつきやすいという反面、トラブルも絶えない。
特に同アプリは、中古取引プラットフォーム利用者が急増するなか、小学生たちも親の同意なしに取引が可能なのだ。オンライン上では、「子供が高価な物品を販売しようとすることを摘発した」などの文章を多数探すことができる。簡単に取引ができるという点を利用して、タバコなど未成年者の購入禁止物品を代わりに買ってほしいと要請する場合もあるようだ。
また、タングンマーケットの主な利用方法は半径6キロ圏内という近場での直取引は、「ご近所だから大丈夫」という安心感に繋がってオンライン上での取引で詐欺行為を受けることもある。実際、タングンマーケット内の決済方法を利用せず、外部の入金方法を指定する場合は、大部分が詐欺とも言われている。
一方、タングンマーケットに限った話ではないが、そもそも韓国では最近、オンライン取引を狙った詐欺犯罪が急増しているという。
韓国警察庁が集計したオンライン詐欺発生件数は、2021年12万3168件。3年前の2018年に比べて66%も増加した。一方で、同期間のオンライン詐欺犯罪の検挙率は、2018年81.3%から昨年76.1%と低下している。
検挙件数自体は同期間、6万224人から9万3690人に増えているのだが、詐欺発生件数が増える速度に検挙が追いついないのが現状だ。
こうした現状に、「騙す方も悪いが、騙される方ももう少し考えたほうがいい」「中古売買を斡旋している業者が詐欺取引に責任をもたずにいるのはモラルハザードの極地だ」など、辛辣な意見が跋扈している。
「タングンマーケット」は過去に、生まれたばかりの“赤ちゃん”が売りに出されて大問題になったこともあったが、現在も韓国で高い人気を誇っている。普通のネット取引に比べて即日で品物を手に入れることができる点が一番の魅力で、せっかちな人が多い国民性にマッチしているのかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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