韓国人が好きなお酒と聞いたとき思い浮かべるのは、ビールでもウイスキーでもなく焼酎だろう。実際に韓国ドラマでもお酒を飲むシーンでは、緑色の瓶に入った焼酎が登場するケースがほとんどだ。
それほど焼酎を愛する韓国だが、最近少し流れが変わってきている。
3月6日、韓国農水産食品が出した「2021年酒類市場トレンド報告書」によると、昨年7月20~30日、全国19~59歳の男女のうち、月1回以上お酒を飲んだ2000人を対象とした酒類消費アンケートの結果、彼らが月にお酒を飲んだ日は平均8.5日で、前年の9.0日より減少したことが明らかになった。
なかでも焼酎の消費は著しく減っているのだ。
ひと月に飲んだ酒種の平均割合を見ると、「ビール」の割合が0.8%ポイント上昇した42.2%と最も高かった。「焼酎」を飲んだ割合は逆に7.3%ポイント減の25.4%となった。続いて、「伝統酒」(20.0%)、「リキュール」(5.1%)、「輸入ワイン」(3.4%)、「輸入蒸留酒」(3.1%)という順だった。
また飲酒に関する満足度でも、5点満点で採点した場合、4点以上の評価を付けたのは「ビール」が77.0%で最も高く、「伝統酒」(70.8%)、「輸入ワイン」(69.2%)、「リキュール」(62.1%)の順となっており、「焼酎」は58.0%と相対的に低かった。
焼酎大好きな韓国で、焼酎の評価が下がった要因のひとつは価格の上昇にある。
かつては「軽く焼酎で一杯しよう」という誘い文句で一杯ひっかけるのは見慣れた風景だった。実際、20年前の食堂で焼酎1本は2000ウォン(約200円)であり、気軽に楽しむことができたのだ。
しかし焼酎の値段は段階的に上昇し、数年前には4000ウォン(約400円)にまで上がった。そして現在は6000ウォン(約600円)に突入しようともしている。実際、焼酎1本9000ウォン(約900円)で商売する飲食店まで登場した。
こうした韓国内の焼酎離れにオンライン上では、「庶民の喜びや悲しみと共にある焼酎だけど、値上げによって庶民の手から離れそうだ」「家で家族と晩酌で焼酎を飲むことに慣れると、騒々しい食堂で高い焼酎を飲むのがもったいない」「問題はこれらが値上げした後に絶対に値下げしないことだ」など、高すぎる価格に対して悲観的な意見が多かった。
焼酎業界にとっては厳しい結果だが、意外なことに、韓国内でお酒を飲んだ日の平均飲酒量は「7.0杯」と、2017年の「6.9杯」から数えて最も多かった。“庶民の酒”としての立場を取り戻すことができれば、韓国内の焼酎離れに歯止めを利かせることができるかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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