韓国の教師8600人へのアンケート調査で明らかになった「やってられない教師生活」

2022年08月05日 社会 #アンケート
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時代が進むごとに変化していくことがある。そのひとつが学校の先生と生徒の関係だ。昭和や平成初期の教師は、現在のコンプライアンスに当てはめればあり得ないほどの強権を振るっていたし、誰もがそれが当然と受け入れていたものだ。

しかし、最近ではちょっとしたことでSNSに晒されるなど、教師の立場は著しく弱体化したともいえる。

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そうした状況はお隣・韓国も同様だ。7月25日、韓国教員団体総連合会が全国の幼稚園・小学校・中学校・高校の教員8655人を対象にアンケート調査を行った。

この調査によると、なんと、全体の61.3%が「週に5回以上学生の問題行動に接する」と回答している。

その頻度も予想以上であり、1週間に5~6回が17.0%、7~9回が8%であり、毎週10回以上が36.3%という結果になった。

生徒たちの問題行動としては(各自3つまでの重複回答可)、「教室での騒ぎ立てる声」が26.8%、「(教師への)悪口や敵対的な行為」が22.8%、「教師の許可なく学校外に出る」が1.7%、「授業中のデジタル機器の使用」が7.9%となっている。

一方、学生の問題行動に対して強く出ることも難しいようだ。同調査によると、34.1%の教師が「まともに制裁する方法がない」と答えている。なかには「親からのクレームが怖い」「児童虐待で通報される危険性」を訴える人もいた。

(写真=写真AC)

実際、「教師の権力侵害が深刻」という回答は調査対象の95%にも上った。

こうした調査結果に韓国内でも「学生の人権を尊重しすぎた結果、教権が地に落ちた。こんな状況でどんな教師が使命感で教壇に立てるのか」「教権侵害の最大の被害者は回り回って、低下した教育を受ける学生だ」「昔のように教師が怖い存在にならなければ先はない」など、現状の教育現場に対する嘆きの声が多くが上がった。

無闇に暴力に訴えたり威圧的な態度を取ったりする教師は論外だが、まともな指導に対してもクレームをつけるのはどうだろうか。日本も韓国も教師の立場をもう少し考えるべきときが来ているのかもしれない。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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