昨年2022年はワールドカップ開催、ウクライナ情勢の悪化など印象的な出来事が多い一年だったが、韓国も一つの転換点を迎えた。
韓国国会は伝統的な年齢の数え方である「数え年」を廃止し、国際基準の「満年齢」に統一することを昨年12月8日に可決した。新制度は半年後の2023年6月より施行となる。
数え年とは、生まれた日付に関係なく、新年を迎える度に年齢が1つ増えるというもの。年単位で数えるため、0歳という概念がなく、生まれたばかりの赤ちゃんも1歳から始まる。
そのため、12月31日に生まれた子どもの場合、生後1日で2歳になってしまうという例もある。
これまで、韓国国民は公式書類上では数え年だったが、徴兵制や飲酒・喫煙可能年齢の計算時には出生時を0歳とし、1月1日に一つ歳を取る方式を取っていた。また1960年代初頭からは、医療・法律に関する書類上では満年齢が使われてきた。
このように、3方式による数え方が使い分けられていた韓国では、かねてより統一してほしいという声が挙がっていたのだ。
その要望を実現したのが、昨年3月の大統領選で当選した尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領だった。選挙時、尹大統領は満年齢での統一を公約に掲げ、当選すると実際に可決させた。
しかし、2016年に韓国の世論調査機関リアルメーターが行ったアンケートによると、「韓国式年齢(数え年)の維持」が46.8%で、「満年齢で統一」が44.0%と数え年派が若干優勢だった。
というのも、韓国では自己紹介時に年齢の代わりに生年月日を伝える方式もある。これが満年齢統一によって年齢を伝える方式になると、すぐに年齢がわからなくなるため、敬語・タメ口の使い分けが即座にできないという意見もある。上下関係に厳しい韓国ならではの理由だと言えるだろう。
ほかにも数え年の存在により、“日本に来ると若くなる”というK-POPアイドルジョークがあるのだが、これからは聞けなくなってしまう。
グローバル化の波に乗る韓国。お次はどのような変化がもたらされるのか注目したい。
(文=サーチコリアニュース編集部K)
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