飲料品の「容器」は“文化遺産”として認められるだろうか…韓国企業が登録を推進、意外な前例も存在する?

2024年11月12日 社会
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はたして工場で大量生産されている工業製品が「文化遺産」と認められるだろうか。

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突拍子もない話ではなく、韓国で真剣に議論されているテーマだ。

韓国の食品飲料企業「ピングレ」は最近、看板商品である「バナナ味牛乳」の“瓶型容器”を国家登録文化遺産に登録しようと乗り出している。関係者は「現在、資料収集など準備をしている段階」とし、「登録申請の時期は決まっていない」と伝えた。

文化遺産として登録される可能性はあるのだろうか。

そもそも韓国の国家登録文化遺産は、制作・形成されてから50年が経過した文化遺産のなかで、保存・活用措置が必要だと国家遺産庁が判断した近現代の文化遺産を指す。

登録されるためには、まず製造から50年が経過していることが前提だ。そして歴史、文化、芸術、社会、経済、宗教、生活など各分野で記念的、または象徴的な価値を持っていることが求められる。

「バナナ味牛乳」
(写真=ピングレ)「バナナ味牛乳」

大前提となる「50年が経過」という条件は満たしている。ピングレの「バナナ味牛乳」は1974年に発売され、これまでに95億個が売れた人気商品だ。韓国でバナナ味牛乳といえば、この商品を思い浮かべる人が多い。当時から“瓶型容器”を使い続けている。

この容器の形は「月壺」をモチーフにしたもので、発売当時、高級製品のイメージを表現するためにこの形状でデザインされたとのことだ。ピングレはこの容器を2016年に商標権を登録している。

とはいえ、工業製品であることを踏まえると登録に違和感があるかもしれないが、韓国には前例がないわけではない。

まず、現代自動車の初の独自生産車である「ポニー1」だ。現代自動車が1975年から1985年まで生産した乗用車で、韓国初の量産型の固有モデル自動車として知られる。

「韓国自動車工業の自立と跳躍の土台となった車種で、自動車産業と技術発展に画期的な役割を果たした」(国家遺産庁)として、2013年8月27日に国家登録文化遺産として認められた。

ポニー1
(写真=国家遺産庁)ポニー1

次に、同じく2013年8月27日に登録された「クムソン洗濯機WP-181」がある。1969年にクムソン社が製造した韓国初の洗濯機だ。

国家遺産庁は「洗濯機の普及は、女性の社会進出、衛生意識および経済状況の向上に伴い家庭の必需品となり、社会的条件と技術の採用との相関関係を示す重要な価値がある」として、国家登録文化遺産に登録した。

クムソン洗濯機WP-181
(写真=国家遺産庁)クムソン洗濯機WP-181

そのためピングレの「バナナ味牛乳」の“瓶型容器”が文化遺産として認められる可能性も、ゼロとはいえないだろう。

国家登録文化遺産への登録を目指すピングレの動きを受け、韓国のオンライン上では「これが国家遺産だって?」「昔から費用のかかるデザインを使ってきたことは認めるけど…」「容器がプラスチックだから今の時代に合わないかと」「バナナが少しも入っていないバナナ味牛乳」といった意見が見られた。

「バナナ味牛乳」の“瓶型容器”が文化遺産に登録されるのか、注目してみたい。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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